Flair 58を使ってみた電気式の方が楽

Flair Espressoさんの Flair58 を買ってみました。 以前デロンギのマシンを使っていて、それを手放してハンドドリップに移行したんですが、エスプレッソは時折飲みたくなったんですよね。

ただマシンになると、またちょっと大げさで、管理やスペースが大変そうだなと。 そこで見た目もよく、メンテが楽そうなFlair58に手を出してみることにしました。

Flair58には58xと呼ばれる別のものがあり、電気式か、非電気式の違いがあります。 どちらが自分のスタイルに合うか分からなかったので、電気式の58を購入し、非電気式にできるように部品を追加購入して見ています。

購入した電気式の58ですが、その中でも限定版のLEです。部品が黒塗りになっていたり、オプションが付いていたり、部材がウォールナットになっていたりします。 ディティールが異なるだけで機能は同じです。

総じて造りはシンプルで壊れにくそうで良い

組み立て式ですが、組み立ては容易です。マシンほど重くもないので女性でも問題なく扱えます。

圧力ゲージ(LE仕様で黒塗り)を見ながら抽出しますが、こちらの使い勝手も問題なし。

慣れると体感で分かるんですけど、あった方が良いです。 豆の挽き加減や量で簡単に圧力が変わり、必要な力が結構な勢いで変わります。

圧力あまりかからないと、シャバシャバとしたエスプレッソっぽくない物が出来上がります。 ※それはそれで良いものかもしれないけど割愛。 逆も然りです。圧力がかかると一気にレバーが降りなくなります。

圧力ゲージを基準に、豆の量や挽き方を変えてみるのがよさそうです。 豆の焙煎の程度でも変わっちゃうので、慣れたとてゲージはあった方が良い。

ミラーはLE版のオプション品です。抽出口からエスプレッソが落ちる様子を確認することができます。

現在のところ日本公式にはないのかな。FlairEspresso、海外公式の方では取り扱いがあるケースもありますね。LEも元々国内ではありませんでしたし。

ふつうに小さい鏡を別途で置けば解決なんですけどね。

必須かといわれると、異なる機器だとこういうものがなかったりするので、必須ではないんですが、個人的には見れて嬉しい。

個人的に少し残念ポイントはハンドル部分です。ゴムかウレタンか分かりませんが、滑りにくい素材で作っています。 本体がスチールなので長く使える一方で、この部材は劣化しやすいです。

これ取り外しや交換が容易な形状だったらよかったんですが、そうもいきません。

感触や価格、構造のシンプル化とトレードオフなので、考え方次第ですね。 良くも悪くもですが、個人的にはもう一工夫欲しかったというところ。

いや剛性の都合もあるので、この製品はこれでよいのかもしれません。

電気式なのでヘッド部分からケーブルが伸びています。このヘッド部分を予熱しておいてね、ということです。

非電気式の場合、別途でお湯を作るポットの上などにおいてヘッドを加熱し、それからヘッドを本体に取り付ける、 というフローになります。後で紹介しますが、これが大変面倒。

少しでも楽したい私は電気式でいいやってなりました。し、電気式をオススメします。 お湯を沸かすついでにヘッドも予熱できるんだから効率的じゃん、って思うじゃないですか。 面倒ですよ実際。

本体からヘッドを取り外し、ポットの蓋を取り外し、ポットの上に落ちないように乗せて電源を入れ、お湯が湧いたらヘッドを元に戻す。 のが一連のフローです。

これが電気式だったら何も外さずに、ヘッドとポッドの電源をポチ。以上です。

非電気式の決定的なメリットがあるとすれば設置場所を選ばない点でしょう。 そうそう移動するものでもありませんが、電源が必要になりますからね。お湯を沸かすのにもガスを使ってる、電気の口が埋まってる、なんて場合には非電気式が良いと思います。

場所を問わず「持ち運んで使いたい」という場合にはそもそも58シリーズじゃなくて携帯用の別の物を買った方が良いです。

ケーブルを出す方向は変えられないのですが、 本体自体がマシンほど大きくもないですし、取り回しに苦労することはないでしょう。

ケーブルの途中についてるリモコンも取説なしで扱えますね。長押しで起動。ボタンポチポチで温度調整。 基本マックスで温めておけばいいです。

むしろ温度調整機構要らないのでは?まであります。エスプレッソ愛好家から怒られるかもしれませんが、 微細な温度状況を監視しなければいけないなら、そもそも使うべきではない機器だと思います。

なので割り切ってコストダウンしたり故障率を下げてもらう方が個人的には良かった。

さて動画やレビューでFlair58xを調べてる方には絶対何か分からない部品です。なんなら取説見ても分からなかった気がする(しまい込んだので確認してない)。

こちらハンドルとプランジャーを結合するための部品です。少し古いバージョンのFlair58(x)にはついてなかったと思います。

どういうことかは写真で説明するしかないんですが、ハンドルを押し込むとき、 プランジャー(押し出す部分)をヘッドの中にまっすぐ押し込むための部品です。

この部品がないと、接続部分の遊びのために、プランジャーがヘッドの中に落ちていきません。

が、動画をいくらか調べていただけると分かると思いますが、この部品は昔はありませんでした。 写真でマークを付けた部分の形状も変更されています。マイナーバージョンアップという奴です。

公式にはこの説明がないんですよね。今は写真の通り三角形ですが、昔の物は丸い形状のようです。

なので、下ろすときに気を使いさえすれば、この部品については取り付けてなくてもエスプレッソを正常に抽出できます。 なんなら非電気式の場合、ヘッドを外して予熱してまた取り付けて、またこの小さな部品を取り付ける必要があるのです。面倒くさすぎる。

以前のバージョンの方が良かった気がするんですが、下ろしてる間に外れちゃうとか、均一に圧力がかけられないとか問題があったんですかね?

よく分りませんが、この点もあって、個人的には現行モデルなら電気式をオススメ。

非電気式部品と公式の対応

本体が電気式だったので、非電気式部品を購入しました。電気式の方を推奨したいのは先の通りです。

で購入する部品があまりにもわかり肉過ぎて、日本公式に問合せしたのにもかかわらず、 誤った製品が送られてきてしまいました。しかも1つじゃないっていう。

まず非電気式ヘッドとプランジャーをそれぞれ購入しました。 「プランジャーは電気式のと互換があるけど、取り付け変えるの面倒なら購入してください」とのことだったので。

で届いた製品には、非電気式ヘッドとプランジャーがセットになったものと、プランジャーです。

プランジャーを買う必要がなかったし、プランジャーの形状は異なりました。互換性とは?

何やらヘッドもおかしいです。ヘッドにスクリーンが付いています。こちらのヘッド古い物です。 現在のモデルはポルタフィルタ(粉を入れる方)にスクリーンを入れる仕様です。

「古い物が届いたんですけどどうすればいいですか」の問い合わせに対し 「押し込めば外れるんで、外して使ってください」の返答が。

で外したんですが、当然のようにスクリーンが入ってた分だけ現行品と形状が異なるんですよね。

プランジャーの形状も異なるし、最初から全部交換してくれればいいんですが、そういう対応にならないあたりが公式に対する不満です。

レスポンス自体は丁寧で比較的早い方と思いますが、疑問が残ります。

で、もう一つヘッドを予熱するために必要になるゴムキャップを購入していたんですが、こちらもヘッドに付属していました。

こちらについては公式の写真にも掲載されていないし、別売りになってるんだから、付いてこないだろう、という予測をしてしまった私が悪いんですが、 見事にヘッドに付属していました。

ただヘッドが古い物だった、プランジャーもセットだった、ということを考えると、もしかして現行品にはついてこないかもしれません。

というわけで、(現時点では)公式があまり当てにならないのがこの製品の弱点だと思う、という次第です。 重なりますがレスポンスは比較的早くて丁寧なので悪い企業であるとは思いません。私はやり取りが面倒で切り上げてしまったのです。

オススメする人しない人

最後の方が酷評する形になってしまいましたが、総じて良くできたプロダクトだと思います。 オススメする人は次のような感じです。

  • メンテや掃除を楽にしつつ、エスプレッソは飲みたい。
  • 大きな場所を取りたくないが、エスプレッソは飲みたい。
  • 電源がない場所に設置したい。
  • アナログ作業や道具が好き。

かつ、そのためにまぁまぁ高い金額が出せる、というのが重要ですね。 オススメする条件を前提に考えると、安くないと思います。マシンで安価な物なら2万円代でありますもの。

オススメしない人は次のような感じです。

  • あまりにもひ弱。体重かければレバー押せると思いますけど、まぁまぁ力が必要です。
  • 一回あたり何杯も入れたい人。家族とか友人とか、一度にたくさん振舞いたいときは不向きです。マシンが速くて楽なはず。
  • アメリカーノを飲みたい人。エスプレッソ用の機器にこだわる必要がない。マシンでいい。

総じてマシンである理由がある人にはお勧めしないです。

味についてはどうなの、ということがあると思いますが、個人的にはまだ追求しきれていないので割愛。 豆の影響が大きい気がします。