満足する買い物とは何か考える

物欲に塗れた私なりの「満足する買い物とは何か」を備忘録的に殴り書きしてまとめようと思います。 振り返ってみると当たり前のことなんですが、盲目的になりがち。

前提として「物」を対象にしていますが、無形の物への支払いも、同じようなことが言えると思います。

  • 高価なほど実物を見て専門家の話を聞け
  • 「良い物」と「買うべき物」は違う
    • 「使う物」を買え
    • コレクションは「見る頻度」と「別の利点」を考えろ
  • 買うことでテンション上げるな、テンション上がる物を買え
    • 買うのは「体験」であって「物」ではない
  • 欲しいものリストは棚卸ししろ、今必要か、まだ必要か
  • 「必要な物」はすぐ買え
  • 「納得できる価格」が満足感を上げる
    • 「欲しいけど高い」は再考しろ
    • 「安いから欲しい」は使うか考えろ
      • 思考コストを削る
  • 「時間」と「人件費」を考えろ
    • 「手放すときも」コストを考えろ
  • 中古はサポートやトラブルリスクを加味しろ

高価なほど実物を見て専門家の話を聞け

やりがちですが、高価な物ってオンラインで探すと値下げされる額も大きくなるんですよ。 極端な例でいえば、10万円が10%オフになれば90,000円。これが1万円なら9,000円です。

問題は少しでも安価に入手したいという気持ちを抑えるべきであるか、どこに価値を見出すか、という点です。

一般に高価な物ほど長く使うことになります。使用時間で割ったら10,000円の差は誤差になる可能性が高いです。 で、あるなら実物を見て、よりその物のメリデメをきちんと検討してから購入したほうが絶対に良い。

両取りする方法として、実物を見てからオンラインで購入する、はあり得ると思います。

他方で購入するまでにかかる自分の人件費のことを考えたり、問い合わせやサポート先を明確にしておくこと考えたら、 オンラインで購入するときの差額は微々たるものである可能性は十分あります。

「良い物」と「買うべき物」は違う

趣味の物に起こりがちなんですが「良い物」と「満足する物、買うべき物」は異なるんですよね。

「使う物」を買え

それは確かに良い物ではあるが、自分は使わない、なんて場合には買い物の満足度が下がる。

服なんかそうですね、写真だけ見てこれ良いなと思うけど、自分には合わなかったとか。

ベクトル違うように見えて、シンプルに服のサイズが合わないも本質的には同じと思います。 物の良さは不変だが、自分では使えない、自分にとっての価値が下がって損したことになります。

利用シーンが見えていて、実際に使ってみて、やっぱり使えてなかった、見えてないことがあった、は、 次はこうしよう、要らなかったな、というポジティブな情報が得られるんですよ。

利用シーンが見えていないのに買ってしまうと、要らなかったな、以上の情報量がないんですよね。 無駄だったなって基本ネガティブで終わる。稀に実はよかった、みたいなこともありますけど、稀だと思います。基本失敗する。

趣味の物でもそうです。飾るにしても見るにしても、飾る場所はあるか、見る頻度はどんなものか、ということを考えた方が後悔が少ない。

いつか使うとか、「使える物」じゃなくて「使う物」のマインド持っていた方が良い気がしています。

コレクションは「見る頻度」と「別の利点」を考えろ

コレクションは「使うもの」ではないですよね。 お金持ち(予算に余裕がある)なら気にせず買い集めるのが良いと思います。特に1点ものなど、買えなかったときのメンタルダメージは大きいです。 他の物で満たそうとしても、なかなか満たせないんですよね。まぁ一期一会、自分の選球眼を鍛えるんだって楽しめればそれでいいんですが。

コレクションする物はその人のアイデンティティやキャラクタを象徴するものなので、難しいところ。 多分ですが、そのコレクションを見て楽しむ頻度や、そのコレクションを切っ掛けに得られる別の利点や目的があれば、 それなりに満足ができるんだと思います。

買うことでテンション上げるな、テンション上がる物を買え

その物によってテンションが上がるなら、買う価値があるものだと思います。 ただ実際のところテンションが上がる買い物ってそれほどないです。多くの場合に必要に応じて買う、だと思います。

「買うことによってテンションが上がる」は起こりがちなんですが「物によってテンションが上がる」かが重要です。

極端なこと言えば、買う行為自体は、リスクを背負った緊張状態を背負い、そこから解放される、というプロセスを踏むので、興奮とカタルシスが容易に得られるんですよね。 ギャンブルに近しい性質があります。なので「買うこと」よりも「得られる物」によってテンションが上がるか、考えた方が良い。

買うのは一瞬、物は使うたびにテンション上がりますからね。経験にコストをかけるにしても振り返ってみて良い経験だったと思えば、持続的にテンションを上げる物です。

買うのは「体験」であって「物」ではない

何かを買うときは、物そのものに価値を見出すのではなく、それから得られる体験を買うものだと考えた方が良い。そこに価値があるか考えた方が良い。

趣味の物なんかそうです。そこに自分の満足のいくデザインで合ったり、自己満足の好奇心や自尊心が満たされるかが重要だったりします。 あるいは誰かと時間を共有できるとか。

物を所有すること、買うことに価値を見出すのではなく、所有した、買ったから得られたものに価値を見出せるか、考えましょう。

「物を仕入れて売る」なんて場合はこの限りではありませんが。

欲しいものリストは棚卸ししろ、今必要か、まだ必要か

無駄遣いかもしれない、もっと良いものがあるかもしれない、欲しいけど高い、もっと安くなるかもしれない、として買うのが後回しになることはよくあると思います。

この問題は回避ができないかもしれません。よほどのお金持ちなら、とっとと購入したほうが良い。考える時間が勿体ない。

考える時間もコストですし、買わずにいる期間、その物から得られる経験や利益の分だけ損をしています。とはいえ、購入に迷う。

で、あれば、定期的に棚卸するべきであろうと。今本当に必要としているのか、今それを購入して消化できるのか。 そのまま放置して、将来的により良い物、新しい物が出ていないか。そのときまた何を買うか考えることにならないか、など。

そうして思考コストも減らし、自分にとって本当に必要かどうか、価値基準はどこにあるかを考える練度を上げていく。 「今必要なものは何か」を絞り込めていくと、おのずと購入時の満足度は上がっていく気がします。

棚卸のタイミングで安くなってたら買ってしまう、というのは手だと思います。特に不変性の高い物です。 新しいことが重要でない書籍とか道具とか。買うか買わないかの思考を捨てられます。

「必要な物」はすぐ買え

どう考えても必要になる物、どうせ必要になる物については直ぐに購入する必要があります。その物から得られる利益を早急に手に入れておく方が良い。 時間をおいて買ったって、その時が来るまで、その物がなかった間に得られたはずの利益は失ってしまいます。

「必要な物」のうち、どれが本当に必要になるかの検討の時間は割いていい。ただ時間をおいて改めて考えるのは無駄になります。 また同じ思考を巡らせる必要があるからです。同じところに結論が行くにしてもです。

「納得できる価格」が満足感を上げる

結局のところ「適切な価格で買えたと感じる」ことが一番満足度を上げると思います。 「この価格なら納得できる」と言い換えてもいいかもしれません。

「支払った価格より価値を感じる」こともありますが、それは支払って体験するまでわかりません。 そんなものは予測できない物として考えて、期待しない方が良い。

「欲しいけど高い」は再考しろ

経験的に「欲しいけど高いな」は、ほとんどの場合に満足度が高くない傾向にあります。 事前にその物事を正しく評価できることがほとんどないからです。使ってみないと分からない、やってみないと分からない。 それに「高かったのに~、高かったからには」という理由で評価しがち、そのものから得られた価値から目を背けがちです。

「欲しいけど高いな」というときは、その物の価値が自分にとって適正かどうかを良く考えるのが良い気がします。 そのものから得られる体験、価値はどんなものか。今の自分に必要か。その物の利点と欠点、他に良い物がないかどうか、を検討するべきフェーズだと思います。

買ってみてあまり良くなかったな、という点が見えたこと、ありませんか。 そこから得られる価値の方が大きければ気にならないかもしれませんけど、ちょっと残念に思うでしょう、ほとんどの場合には。

「安いから欲しい」は使うか考えろ

「安いから欲しいな」も満足度が高くない傾向にあります。「安さ」に注目しているからです。 物の良し悪しや使うかどうかから視点が外れてしまっています。

「安いから欲しいな」は、シンプルに「使うかどうか」を考えるのが良いと思います。 それを置いておく、その体験に時間を割く価値が本当にあるかどうか。

物を置いておく、整理する、捨てる、にしてもコストがかかりますからね。「すぐ使うか」を考えてもよいと思います。

思考コストを削る

「安いから」を理由に買ってしまって直ぐに試して、良くなかったら即刻諦める、という手はあると思います。 棚卸しと同じ話です。「考える時間が勿体ない」という点に価値を見出す、ということです。

気になってしまったが、買うほどでもない気がする、あぁ考えてる時間が勿体ない、気にする思考コスト、時間コストを消すためだけに、その価格を払えるかどうか。

これは一般論とはかけ離れてるかもしれません。私は特に思考する対象を減らしたい、物というより考えることを減らしたい人間なので、この傾向にあります。

「時間」と「人件費」を考えろ

よくある話です。「今この場で買える物より100円安い物を買いに1時間かけて移動するな」。1時間かけて100円以上稼ぐ手段を用意したほうが良い。

精神的に許せない、みたいな考え方はあると思います。その方が「自分の思考時間によるタイムロスを起こさない」から、トータルでプラスになる、という考え方もあります。 私は浮いた時間で、100円以上の価値を生み出した方が良いと思う。

他方で、ここで考えているのは「どうやったら満足するか」です。時間や人件費をかけてしまったが、当人が満足、納得していればそれでも良いのです。 ただし損はしていると思います。

何より、私はこの傾向にあります。損していると分かってはいるんですけどね、納得できず、ということがあります。

「手放すときも」コストを考えろ

ただ私は物を捨てるときにこれをやりがちです。捨てた方がトータル楽で安く済むんだけど、 精神的にそのまま捨てるのが辛くて、できればと一度は譲渡先を探しちゃったりします。

中古はサポートやトラブルリスクを加味しろ

「中古品でよい物」というのは確かにあります。自分にとって、購入しようとしている物の価値が、中古であっても普遍的であるなら、中古が良いと思います。

他方で、中古は危険を含みます。特に個人間売買。サポートが得られないかの所為がある。長期的に使うものほど中古のリスクは大きくなります。 短いサイクルで使う物の方が良い。長期に使いたいものでも、試してみて、良ければ買い替えるくらいの気持ちでいた方が良い。

またトラブル時のコミュニケーションコストもかかります。その時間が勿体ないしストレスがたまる。

その中古価格、果たしてサポートやトラブル時のことまで考えて、適切かどうか、考えた方が良い。