高機能マットレスの比較検討

頭痛を解消するために整形したり、椎間板ヘルニアをやってたりと、身体の故障の話題に尽きない私です。 寝具について長らく放置していたので、最近になって手を出しました。ここではベッドマットレスの試行錯誤について記録しておきます。

知名度ある寝具と言えば「西川AiR」「airweave」「BrainSleep」 「コアラマットレス」「NELL」あたりがこの記事を書いてる前後では話題のブランドかなと思います。

本来なら全部試していけばよい話ではあるんですが、時間がかかる上に、専門家のそれには情報量劣りそうなので、私は理攻めで「西川AIR」選んでみました。 多くの製品が試用期間あるので、手間を惜しまなければ、色々試してから決定できますし、気になる方、強くこだわる方は試すのが良いと思います。

なぜ書いてるのか

ややネガティブな評価をしています。実態とかけ離れている可能性がある点は留意してください。個人の感想の域を出ません。

「専門家の情報量に劣りそう」なのに何故書いてるのか、という話なんですが、いまいち根拠に乏しいものも多かったからです。 よそ様のサイトを名指しで例示するのもなんなのですが、例えば以下の記事です。

個人的に冒頭から、すでに良くないと思っていて、引用すると 間違ったマットレスを選んでしまうと、最低でも3年以上は、そのマットレスで寝る事になり、ますます腰への負担を感じる恐れがあります。 とされていますが、まず大手のメーカーの物は試用期間が設定されているので、こういった消費者へのネガティブな印象付けは好感が持てません。 ※情報公開時と昨今の事情とが異なるなどは全然あり得る。

さらに解説中の背骨の歪みの図なんですが、身体の輪郭を一致させると、そもそも人体構造上あり得ない方向に背骨を曲げてるんですよね。 まぁこれはイメージ図として提供され、制作コストも踏まえればやむを得ないことなのかもしれませんが、正直専門家が何人もそろってこの図を良しとしている状況が個人的には好きではありません。

提供されているコメントについても、そもそも定量評価できないものが多く、およそ整体師や鍼灸師の方たちが言及するのと、 一般の方が言及するのとで、内容に大きな有意差が生まれるようなものでもないでしょう。 (正味寝具を選ぶ上で、自身の身長体重のデータもナシに軽い重いを述べるのはナンセンスでは)

包み隠さず言えば、例示以外にもアフィリエイト目的が専攻しすぎがサイト情報が多いのではないか、という不信感が募るケースがあまりにも多い。 アフィリエイト経験していると分かりますが、単価が高いですしね。

もちろんのことですが、私のこの記事にも広告が掲載されています。医学や理学療法に関わる一切の学問を納めてるわけでもありませんので、そこはご了承いただきたい。 例示サイトのような方々の方が、より信ぴょう性が高い、という判断は大いにあり得ます。

ベッドマットレスの機能

昨今のベッドマットレスが謳う代表的な機能は以下のようなところです。各種ブランドもそうですが、グレードによっても機能の有無に差がある点には注意です。

  • エッジの強化
  • 脚を上げた姿勢
  • 通気性・抗菌性
  • 部位に合わせた硬さの変化

エッジの強化

西川公式より引用

エッジの強化とは、マットレスの淵・輪郭だけが堅めに作られている構造です。 この構造の利点についてはメーカー各種様々なことが述べられていますが、概ね次のようなメリットがあるとされています。

  • インテリアの一部であり、腰掛けることも多いため、淵の破損や劣化を防ぐ
  • 寝返りなどによってベッド中央から離れたとき、中央に戻りやすくする
  • マットレスの変形によるパッドやシーツなどのずれを防ぐ

これらの機能は堅めのスプリングや素材によってこれらを実現するため、マットレスの素材には依存せず、設計の1つとして取り入れている印象です。

脚を上げた姿勢

BrainSleep 公式より引用

脚を上げた姿勢にすると、脚部の血流をよくし、疲れやむくみが取れやすい、という設計があります。 「BrainSleep」などが導入しているほか、マットレスとは話題が逸れますが、一部の電動ベッドが実現しています。

理屈は分かります。歩行時は足の筋肉がポンプとして機能しますが、横になるとポンプは機能しないので、 脚からの血流を促進するために脚を上げてやろうという形です。

宇宙飛行士の訓練などで、頭を下げ、やや脚を上げる形で傾斜をつけることによって無重力に近い環境を用意する、 というものもありますね(出典特に掲載しない)。

枕的な形で後付け設置するものなどもありますが、 「ベッドマットレスの機能として組み込まれてしまうと、合わなかったときに全交換になってしまう」し、 マットレスを回転・反転してローテーションしながら使うことでヘタり箇所を分散する、などが難しくなるので、個人的には不要かなと思いました。

なによりも寝返りをうち横を向くときの脚に違和感がありそうという。 ただ、こればかりは使わずにレビューするのは野暮なので、これ以上はノーコメントです。

電動で、寝付く前後で姿勢を調整する機能がパラマウントベッドなどから出ていますから、 もしマットレスというより姿勢を重要視するなら、そういったベッドフレームの方を考えるのがよさそう。 ただしサイズや重量の問題と予算都合とで、導入には気合が要りそうです。

TEMPUR にも電動リクライニングで姿勢を制御しようというコンセプトの物があるんですが、 こちらは自動でフラットに移行する機能などは執筆時点ではないのかな?といった感じです。 自作もできそうですけど、ちょっと手間ですね。

電動ベッドフレームを導入すると、基本的にはマットレスも専用の物になってしまう点には留意したいです。 価格相応にそれなりに良いものは出ているように見受けられますけども。

あと引っ越しなどが頻繁な場合はその分のコストも考慮したほうがよさそうですね。

他に、大きなサイズの物が少ないというのも選択肢の幅を狭くするかもしれません。 そもそもパーソナライズされた快適さを求めるのに2人以上で使うことを考えるのがナンセンスだと思うんですが、デメリットの1つとして紹介しておきます。

通気性・抗菌性

aireweave 公式より引用

特に airweave などのファイバー製のマットレスは、通気性や洗浄可能であることを売りにしています。自宅で丸ごと洗うことができる。 正直通気性や洗浄面については「良いところしかない」かなぁと思います。「直射日光に当てないようにするなどの扱いは必要」ですが、大きなアドバンテージです。

個人的には airweave は分割式で持ち運びもしやすいのがよいですね。洗浄もしやすいですし。

他にいわゆるウレタン系のマットレスでも抗菌素材などが謳われていますが、正味家庭環境でどれほどの物かは定かじゃないです。 少なくとも家庭で洗浄できるものではないです。※オフィシャルじゃない洗浄サービスもあるし、西川はオフィシャルの洗浄がありますが。

部位に合わせた硬さの変化

aireweave 公式より引用

腰部分を堅く、肩部分を柔らかくするなどして、姿勢を整える機能も多くのメーカーが導入しています。 個人的にはこれを重要視していて、横向きになってるときに、肩が窮屈にならないで欲しいんですよね。肩こりをとにかく減らしたかった。

これらの機能でたまに気になるのは、パーソナライズ・パーソナルフィットを謳っているのに、ダブルサイズ以上の製品があることです。 体格がよく似ていればいいですが、2人で寝るのにパーソナライズする機能ってどういうことなんだ、という話です。 その機能が実現したいものと、実際に導入されている製品とで乖離が見られる、ということです。

特にご夫婦など男女で使う場合には、一律で使えないことの方が多いんじゃないかなと思います。 単に体格に合わせて変形します、この体重からこれくらいの体重まで対応します、とかだといいんですけどね。

望まれる寝具

完璧はないとして、ベッドマットレスに期待するのは、次のような条件です。

  • 寿命が長くあって欲しい
  • 横に寝るとき肩の沈み込みがあって欲しい
  • 腰は沈まないで欲しい
  • 自宅で(楽に)試せるとよい
  • メンテしやすいか、メンテフリーだとなおよい
  • コストは低ければ低いほど良い

人によって、優先順位が変わったりはすると思いますが、概ねこんな感じと思います。

amazonより引用

因みにですが、レビューなんかを見てると「ヘルニアが楽になる」とかあります。 が、究極自分の体にフィットする製品かそうじゃないかでしかなくて、ヘルニアが治りそうとか治らなさそうとか、レビューから判断しない方が良いです。 トラブルが多いのか、メーカーやブランドの Q&A などにも、そのような効果を保証しませんという記載があったりします(airweaveとか)。

Amazon レビューなどでは「鎮痛力」というなぞの評価項目があり、これは椅子などにも設定されていることがあります。 この評価項目非常によくないなと思います。これについては airweave が悪いわけではありませんので念のため。

西川AIRのサブスクリプションサービスは有用

この記事でのまとめですが、私が西川AIRを選んだ理由はいくらかありますが、サブスクリプションサービスは選択のために非常に有用でした。

多くのマットレスメーカー・ブランドは、購入後の返金を約束する形で試用期間を設定しています。 なので初期費用が大きく動きがちなのと、"試用"のルールが多少窮屈です。

西川の場合には、最上位である AirSX はラインナップされていない物の、AirSIが2週間試用できたので、 その点で試しやすかったです。

サブスクリプションサービスでの検証と、実際に購入した感想は次の記事でまとめます。

ファイバーの非合理性

ややネガティブな評価をしています。実態とかけ離れている可能性がある点は留意してください。個人の感想の域を出ません。

色んな種類のマットレスを、試用期間を使って長期間試すことはしていませんが、 店頭でいくらか試した結果、もっとも自分の体に感触が良かったのが、西川Airでした。

aireweave 公式より引用

特に airweave 店頭で試してみたんですが、正直に、求めていたものより"かなり"堅かったんですよね。(柔らかい、標準、堅いなど試させてもらった) 自分の身長体重は、概ね 175cm/65-70kg 程度なのですが、エアウィーブでは先にも紹介した、図のような変形を期待できませんでした。

素材や形状の観点から見ると、西川のAirSI以上のシリーズには、身体に合わせて変形するという面で、かなりの合理性があるように思います。

aireweave 公式より引用

ファイバー素材のマットレスは、ファイバーを複雑に絡めて整形しています。そのファイバーの密度などによって堅さに変化を作るわけです。 ファイバーである以上、変形には限界があるように思います。なぜならファイバーそのものの伸縮性は高くないからです(ないことはないんでしょうけど)。

ファイバーに接地するのはほぼ面に近いです。ファイバーにかかる圧力は分散し、さらには絡み合ったファイバー同士が引き合うことで、 ある程度の張力が発生しうることは想像に難くないです。結果変形の余地はファイバーの密度にのみ依存します。逆に言えば密度の差の程度しか堅さの強弱が起こりえません。

aireweave 公式より引用

ファイバー素材の問題点は、肌触り面でも出てきます。正直個人的には大きく気になるかどうかは怪しいのですが、 ほとんどのファイバー素材のマットレスにはパッドや厚めのカバーが充てられます。肌触りが堅いんですよね。

ファイバー素材の枕とかを使うと分かるんですが、薄手の枕カバーだと、体重預けると結構ファイバーの線に押される感覚が出ます。 寝心地を維持しようと思うと、パッドなどの緩衝材を入れざるを得ないのかなぁと思います。すると、緩衝材の分だけ、さらに変形しにくくなるんですよね。

逆に言えば、ある程度は変形するものの、十分な復元力があり、その他通気性のメリットがあるということで、堅めが好みだったり、 体重がある方だったりすると、ファイバー素材の airweave なんかが良いのかもしれません。

西川AiRの合理性

西川AiR公式より引用

一方で西川なんですが、ウレタンスポンジ系の素材であるものの、細かい立体整形によって多数の点を作るようにしています。 よくコイル・スプリング式のベッドでその数を売りにしている製品がありますが、こと点の多さではこれを上回ることはないでしょう。

さらに、立体的なスリットによって余白を作り、そこに押し出されるようにしてスポンジが変形することで、より大きく、しかし細かい区画単位で変形するようにできています。 つまりフィットしやすい。空けられた穴やスリットは、通気性の良さにもつながっていて、そこも評価したいです。どうしてもスポンジ系素材には蒸したり籠ったりする印象があるので(実態はさておき)。

さらにスポンジも積層構造になっていて、変形しやすい層と、しにくい層とが使い分けられていて、沈み込みすぎるのを防いだりします。

ファイバー素材と異なり、マットレスに直か薄手のシーツでも快適に寝ることができるので、変形が妨げられることはありません。 もちろん厚手の物を敷けばそれまでですが。

西川 AiR の欠点

褒めちぎってますが欠点はないのかというと、いくらかあります。表裏が決まっているので、上下面を反転するなどの利用方法が取れません。

さらに SI, SX より下のグレードのモデルになると、単に山形の構造になるのですが、先に紹介したような高い効果は正直感じられませんでした。 徐々に上位モデルに変えて試すとかすれば違いを感じることができたかもしれませんが参考程度に。

まぁ後は素材の違いで、洗浄面などはファイバー素材などと異なり、家庭では難しいでしょう。

あと airweave と比較してしまうと、価格帯の割にはちょっとデザイン面がやすっぽいです。SIは特に。標準のカバーではマッチするインテリアや部屋は少ないでしょう。 機能性を見せたい、みたいな思惑があったものと思いますが、高級路線に振り切ってしまった方が、個人的にはよいかなぁと思います。

シーツさえ被せればどうとでもなるんですが、予算はあるが、機能を知らない、みたいな人がパッと見て、選択肢に入れるか、には疑問が残ります。 言い方悪くすれば、小・中学生男子感のあるデザインです。SIは特に。女性がパッと見で選ぶ機会を損失しているように思います(実態はどうか分かりませんが)。もったいない。

SXが(執筆時次点では)通販で買えない、なんてところも個人的にはデメリット。まぁ店頭で試してほしい重視とかブランディング考えたら、そうしたほうが良いのかも?