吸音・防音材を3畳作業部屋に導入

作業部屋が3畳程度と狭く、音が反響して、マイク入力にエコー(ホールリバーブ)がかかるので、安価な吸音材を張りました。 導入記録と効果の紹介です。音のBefore/Afterについて、最後にYoutubeの動画を掲載しています。

製品と枚数の検討

今回導入したのはこの製品です。安価でグレーがあったのでこれにしました。 便宜上、タイトルに「吸音」としていますが、主たる目的は反響防止のためだったので、 多少薄くてもよい、素材も安くてよい、という判断です。 吸音力も期待するなら、厚さや素材も検討したほうが良いです。

※余談ですがプロの方が卵の紙パックで反響防止を作ってるのを見て賢いなと思ったこともあります。

必要な枚数ですが、おおよそ張りそうな場所に養生テープなどで当たりをつけて概算します。 私の場合は 48 枚セットにしました。まぁ多少余っても適当に張れるし処分もしやすいですし、想定より少ないよりは多い方が良いと思います。

製品レビューですが、臭いはどうしてもありますね。強めのお風呂用洗剤のような感じ。2日置いても取れてません。 放置すれば解消されるとは思いますが、初動は覚悟しておいた方が良いと思います。

凹みの戻りについてですが、水で戻すようにされていますが、自然放置でもある程度は戻ります。 梱包の両端にあった物の戻りが悪いのと、製品間に除湿剤が挟まれていて、その凹みが戻らないです。 幾何学的な美しさも魅力っちゃ魅力なので、そこに拘りたい人は比較的高い製品を選ぶ必要がありそうです。 あと、陰影の都合で黒素材の方が目立たないでしょう。

臭いと凹みの戻りについてですが、水につけて陰干しでどちらも解消の可能性はありますね。 手間を惜しむかどうか。

マイク周辺だけ

そもそも論ですが、マイク入力の周辺だけカバーしてしまう選択肢も大いにあります。 マイク入力の反響だけを考慮するなら、この方法がもっとも費用追効果が高いと思います。

両面テープで貼り付け

ピン、スプレー糊、両面テープによる接着が公式から紹介されていますが、私は両面テープにしました。

両面テープにしても選択肢があると思います。例えば強めの両面テープを吸音材の四隅に貼ってから壁に貼る方法と、 一般的な両面テープを広い面積に使って張る方法。

賃貸だっていう理由もあって、しかし落ちてきたら困るので一般的な両面テープで張ってみましたが、 今時点では落ちてないですし、壁紙が結果的にどうなるかは分からないです。

壁面、よくある多少凹凸のある、エンボス加工された壁紙で、両面テープが付きにくく、 強粘性の両面テープでないとダメかな、とも思ったのですが、吸音材の方が軽くて案外に何とかなりました。 剥がしやすくもあります。

壁の方の素材にダメージが行きそうな場合にはマスキングテープを使って一度シールする(=覆う)のがよいです。 貼り付け面もフラットになるので両面テープが付きやすくもなります(壁面とマスキングテープが接着されることが前提ですが)。

あとは強い両面テープなら広い面積で接着される必要がないのでテープ代がかからなかったり、 水平に張ったり広く張ったりとかの手間が少なくてよいかもなぁとは思いました。

壁に両面テープを貼り付ける場合にはピッタリかちょっとだけ小さいサイズくらいにしておくと、 吸音材がスペックサイズよりも多少伸び縮みできるので(基本的には伸びる)、はみ出すことがないです。 ピッタリ端まで接着されてないと剥落してしまうような粘性しかなければ、そもそも通常運用で剥落するでしょう。

いずれの方法、どんな両面テープを用意するにせよ、一度壁に貼って確かめるのがよいです。 大きく作業する前に必ず試すがこの手の物のコツですね。

効果の録音をしてみた

検証のために吸音材を張る前と張った後の比較録音をしてみました。ただし作業中にちょっとマイクが動いちゃったりしてるガバガバ検証です。

ボイスサウンドを「効果音ラボ」より拝借し、PC から流してマイクに入れるのが 2 種類。 私の聞き苦しい地声を 1 種類で検証しています。

まぁまぁ効果があるんじゃないでしょうか。費用追効果が良いかどうかは定かではありませんが、 こういった部屋で吸音する方法って他になさそうなので、安価な方であるとは思います。

余談:外からの防音や吸音の情報

余談ながら救急車などの往来する幹線道路沿いに2回続けて住んでいるんですが、いくばくかのメモを残しておきます。

  • 防音カーテンは外からのそれらには効果が薄い、救急車とか車レベルの効果を期待するなら窓をふさぐしかない
    • 内側からの音漏れ、吸音・反響抑止には多少の効果が期待できる
    • 2重サッシにするか、ウレタンロックボードなどがある
  • 鉄筋(SRC)系と、それ以外の鉄骨や木造とで、隣接する家との防音レベルは雲泥の差がある

防音については下記の資料が大変参考になります。

窓に防音カーテンを付けたら本当に遮音効果があるのか測ってみた!- sound proof

1年以上運用した後日談

1年以上運用して分かったことがあります。私事ですが、黒が好きなんです。ところが壁に黒を貼り付けたら部屋の印象重くなるな狭く見えるなと思ってグレーにしたんです。 そうしたら徐々に劣化して黄色く変色してきました。左が別室暗所で未使用保存、右が張り付けてある現在の物です。

なお直射日光はカーテンを閉め続けてるので、ほぼ当たらないですし、窓際と部屋中央付近とで変化に有意差は見られません。

使ってない何枚かをもしかして使うことあるかな、と思って別所で重ねて維持してたんですが、それがこの変化を確信づけることになりました。 重ねて保存してたので中央は空気や光に触れにくかったのでしょう、変化していません。ところが端は未使用の物でも変色しています。

なるほど安い製品だったので、もっと高いものを買えばまた話は別なのかもしれませんが、グレーの安物を購入するときは一考の余地ありです。 今度はグレーの物を避けるかもしれません。黒にするか、はたまた材を変えるかでしょうか。