賃貸の「釣り物件」は実在した!釣られた体験記

リビングのイメージ。

賃貸で「釣り物件が存在する」なんて噂があります。私自身、体験するまでは半信半疑でしたが、実際に釣り物件に遭遇しました。 これを「釣り物件」と呼んで良いのかは定かではありませんが、賃貸業界に後ろめたいところがあるところを知り、私はショックを受けました。

端的に言えば、すごく良い物件があったので A 社と B 社でその物件について尋ねたところ、それぞれ別の理由で借りられないと言われました。

ひょっとすると業界では暗黙の了解なのかもしれませんが、平気で嘘をついてくる人がいる、ということになります。 賃貸探しをしている方は、注意しておいた方が良いと思います。

物件の発見と事の経緯

仲介業者については名前を公表することを控えますが、私がその物件を Home's で見つけました。 場所は東京都内 23 区です。SUUMO などにも掲載されていましたが、そこは直接的な問題にはならないでしょう。

その物件を発見した時点で既に A 社にお世話になっていたのですが、その A 社がある駅とは少し距離が離れていたので、 内見のときに不便になると思い、その物件を扱っているとする B 社に電話をかけ足を運びました。

B 社の言い分

B 社にはその物件を見て、その物件のみを紹介して欲しいと伝えました。ところが、B 社の言い分はこうです。 「銀行などの差し押さえ対象になっている物件です。内見などの希望者に話すように伝えられている、訳アリの物件です。」

訳アリ、責任説明のある物件はまぁ多々あります。ここでの差し押さえ対象とは、ようするにオーナーが借金をし、家賃によってその賃貸を運営しようとしたところ、 実際には未納や運営費で採算が取れない場合にあるようです。ひとまず理屈は分かります。

これを聞き、また B 社の周辺で探すときはお世話になりますと、B 社を離れました。

A 社の言い分

交渉を依頼していた物件があったので、その交渉がどうなっているかを B 社に寄った帰りに A 社に尋ねに行きました。 なお A 社には B 社に行くことを事前に伝えています。もちろん B 社にも A 社で既に物件を探していることを伝えてあります。

A 社では話が進んでいるようでしたが、B 社で尋ねた物件について、A 社でも尋ねてみました。

B 社に行くことは A 社に伝えていますが、この物件について B 社で尋ねたことは隠していますし、その帰りであることも伝えていません。 私も性格が悪いですね。しかしどうにも B 社の言い分が信用できなかったのです。

A 社の返答はこうです。「オーナーが自分で探してきた人をそこに住まわせる契約を既に済ませてしまったらしい。」 まぁない話ではないと思いますが、B 社と食い違っています。

Home's の管理番号を元に問い合わせしていますから、間違いなく同じ物件です。 またどちらの業者も物件の検索には業者共通のデータベース「レインズ」を使って探しているのは確認しましたから、登録されている情報も同じでしょう。

対応と対策

A 社に「B 社ではこう言われた」と言ってしまえば、A 社の私に対する信用はなくなるでしょう。B 社に対しても同様です。 私の A 社と B 社に対する信用はこの時点で揺らいでしまっているわけですが、私ら個人は A 社や B 社、あるいは別の仲介業者に頼らなければ、物件を借りることはできません。

もっとローカルに根付いた賃貸業者に依頼すれば借りることができますが、それでは効率が悪くなります。時間に余裕がないと難しいでしょう。 つまり、賃貸探しや話を円滑に進めるためには、A 社や B 社の信用を失うわけにはいかないのです。

非常に嫌な気分になりますが、追求せずに冷静になり、別の物件を探したほうが、話は早く効率的に進みます。 事実上の泣き寝入りとなるわけです。どうしても許せないなら、また別の業者を探すしかありません。

残念なことに具体的で効果的な対策方法はありません。あまりにも条件が良い物件は警戒し、釣り物件であることも視野に入れながら早めに問い合わせる、 といった方法でしか、我々利用者側にはなす術がありません。

なお今回ここで話題に挙げた物件ですが、好条件にも関わらず、2 週間ほど経っても Home's に掲載され続けています。非常に嫌な気分です。

A 社か B 社の一方だけが嘘をついているか、あるいは、どちらも好意によって実際には非常に良くないその物件を紹介したくなかった、のであると信じたいですね。