昇降デスクFLEXISPOTの導入記録(製品検討)

昇降デスクFLEXISPOTを導入したときの記録です。ここでは製品選びなどの記録を残しています。 昇降デスクを検討している方に何かしらの参考になれば幸いです。 組み上げの記録などは別のページで解説します。

またここで紹介するFLEXISPOT製品については「カゲノデスク」さんが詳細に解説されています。

昇降デスクの採用経緯

率直に言って私は猫背なんですけども、デスクワークで首・肩・腰をコリがちです。 理想形のデスクは完全に寝た状態を作って体が前のめりにならないように作業ができることなんですが、 そのようなデスクは高価だし、導入スペースも広く要するしで現実的ではありません。書き物をするときも困りますしね。

作業環境を整備するのはもはやエンジニアの性みたいなところがあると思っていて、 偉大な先駆者2名の方のブログを拝見し、自分も引っ越しを気に色々やってみようと考えたのです。

選択肢としては2つ、(1)傾斜デスクを導入するか、(2)昇降デスクを導入するかです。

傾斜デスクの特徴

傾斜デスクの利点として体を完全に椅子に預けらるので体の緊張状態はかなり軽減できます。 物理的に後ろに引っ張られているので前かがみになっていくのもかなり抑制されます。 現実的な範囲内では、作業をする上でこれ以上楽な姿勢は存在しないでしょう。

欠点として、概ね専用品を揃えることになるので高価になりがちな点、 汎用のデスクとして扱うには扱い"であろう"という点、あとは奥行方向に広いスペースを必要"しがち"な点でしょうか。

スペースは兎も角として、汎用的に使いにくそうである、 天板の作業スペースが既製品の枠組みの範囲である、あとは価格と設置スペースを考慮して、今回は昇降デスクを導入してみることにしました。

傾斜デスクの場合、合わせてチェアもそれなりに対応できるものを用意する必要がありますね。

昇降デスクの特徴

文字通りですが、天板が手動か電動かで上下します。座った状態や立った状態で作業ができる、というものです。 椎間板を故障する程度には体を痛めてるので、もしかして立った状態で作業する時間があった方が良いかもしれない、という期待感から採用しました。 部屋の都合からチンニングスタンド(ぶら下がり健康器具)がなくなってしまった、というのもあります。 あとは立って作業するのが気分転換になったりしないかなと。

なお、座りっぱなしの健康問題のために立って作業するスタンディングデスクが有効である、という話については、 立つ程度では大きな影響が出ない、という研究があります。歴史が浅いことから長期的な追跡研究ではないと思いますが参考程度に。

組み上げてまだ数日しか経ってない間にこの記事を書いているので簡易レビューではありますが、 定期的に昇降するなどの仕組みを導入しない限り、座って作業を始めてしまうと立ち作業に移行しない、という堕落的な問題があります。 ところが集中してるタイミングで定期アラームなど鳴らすのはあまり好ましくないので、この案は却下しました(そういう機能が付いた昇降デスクもあるようですが)。 在宅ワーク時間が長ければ利用頻度は上がりそうです。

大きなメリットとして、椅子の高さや座り姿勢に合わせてデスクの高さを微調整できる点が挙げられます。 座ったまま姿勢をわずかに変えるなどするときにかなり有効です。モニタなどのテーブル上の物も一気に動くので微調整が本当に楽。 複数人数で同じデスクを使いたい場合にもかなり有効でしょう。

椅子は合わせやすいですが、デスクを合わせる、ということは従来のデスクではできませんでしたし、 体に合わせた道具を用意する方が効率が良いのに、人の体を道具(デスク)に合わせがちだったので、この体験は結構新鮮です。

製品選択

昇降デスクも色々あるわけですが、商品選択に当たっては大きくは2つ、(1)手動か電動か、(2)既製品か自作か、を考える必要があります。

手動か電動か

手動の選択肢は自分にはありませんでした。つまり適切な高さを記録しておいて、そこに自動でセットされることが望ましかったからです。 手動の利点としては座った姿勢での微調整は十分そうなので、デスクを体に合わせたい需要には合うと思います。 スタンディングもできなくはなさそうですが、上げたり下げたりの量が多くなるので大変そう。あとは手動の方が圧倒的に軽い製品が多いです。

自分しか使わない、スタンディングは使わない(微調整のみを期待)する場合なんかは手動の可能性あるんじゃないかなと思います。

電動はメモリ機能などがあるし、基本自動なので上げ下げも楽、一方で本体が重いし電力を要する、といった感じです。 複数人で使うならメモリ機能が必須だし、いくらかの作業に合わせてデスクの高さを切り替えたい場合なんかにも有効でしょう。 スタンディングデスクとして使ってみたい場合も、基本的には電動がよいと思います。

既製品かDIYか

既製品の電動デスクもいくらかありますが、自作も可能なFLEXISPOTシリーズを選択することにしました(とはいえすべてシリーズのセットで揃えましたが)。 DIYできる製品は、コントローラの位置が選べることと、天板を自由に選択できる点がよいです。

もし将来的に電動の昇降デスクを使うとして、足を買い替えることはそうそうないかなというのと、 作業デスクの天板サイズは広いに越したことはないので、DIYできるものにしよう、といった経緯です。

DIY式に決めたとはいえ、安定して供給されていて情報が多く出てくるのは何社かしかないようで、一番多く情報が出てくるFLEXISPOTにしました。

価格面でもかなりの有利が取れる場合があります。DIYセットで天板などへのこだわりがない場合、FLEXISPOTなんかはかなり安価に電動昇降デスクが手に入ります。

FLEXISPOTの脚(フレーム)選び

FLEXISPOTですがかなりバリエーションが出ていて、少々厄介なことにマイナーチェンジの頻度が高く、 ECサイトで販売中の製品が公式サイトから購入できなかったり、ブログポストなどから情報が得られる製品が既にになかったりします。

天板ではなく、昇降する「脚フレーム」についての機能比較は、 公式サイトの「脚フレーム」のページなどから確認することができます。 ただし、ECサイトにはあるものの、公式サイトに記載されていないものは、比較情報がありません。

概ね機能の違いは次の通りです。

  • モーターが1つか2つか(昇降速度)
  • 本体重量
  • 耐荷重
  • 対応する天板のサイズ
  • 昇降範囲
  • タッチパネルか物理ボタンか
  • メモリ機能があるか
  • 障害物検知があるか

正直な話、そんなに頻繁に上げ下げすることが予想されなければ、モーター数(デュアルかシングルか)はあまり気にしなくてもよさそうです。 これは私自身がデュアルタイプを購入した感想です。

モーター数は昇降速度、本体重量、耐荷重、天板サイズに影響してきますが、それらが期待する範囲に収まり、 座った状態と立った状態を頻繁に上げ下げするでもなければ、昇降速度は大きく影響しないのではないか、という見方です。

160cm より大きい天板が欲しかったり耐荷重が必要な場合は必然的にデュアルモーターのものになります。 公式から購入できる天板サイズは 160cm が最大のラインなので、まずはここを目安に考えてみるのが良いかも。

仮にシングルモーターでもよいとして、候補に挙がるのは執筆時次点で EF1 か EG1 になるわけですが、 個人的には高さを記録しておく機能をお勧めしたいので EF1 を推します。座った状態で微調整だけできればいい、立つ頻度も稀、みたいな話なら EG1 で十分そうですね。

最終的に私は何を選んだかというと、公式ページはもう掲載されていない「EQ6」にしました。 採用理由ですがタッチパネルより物理ボタンがよかったこと、色、耐荷重と天板の対応ですかね、物理ボタンのルックスも好きです。

もし頻繁に上げ下げするようなら速度も必要かもしれないと思ってデュアルにしましたが、これはシングルでよかったなと思います。 天板も結果的には 160cm にしてるので EF1 でスペック足りてたんですが、まぁ使ってみないと分からないのでこれでよいでしょう。 将来は 180cm とかにするかもですし。

天板選び

天板の選択肢もいくらかあります。

  • FLEXISPOT 公式のものを選ぶ(セット品もある)
  • ホームセンターや既製品でDIYする
  • 専門店にオーダーメイドする

公式のものを選ぶ

公式の天板の良さは、ある程度の穴があらかじめ開けられていることと、組み合わせが保証されていることでしょう。 天板の厚さとネジ、その強度の関係もクリアされているのは楽です。

私も導入期間や導入のし易さを目的として初回導入の今回は公式の天板を選びました。 実際のところ、天板に明けらえている既存の穴だけでは足りず、穴を開けたりする必要性も出てきますが、 脚のフレームを中央に合わせたりするのは容易でした。

ただし公式に好みの天板がない可能性がある点には注意が必要です。 黒色が好きなのですが、残念なことに指紋や傷がつきやすい物しか残っていませんでした。

以前販売されていたカーブ天板は素材もよく、エッジも立ってない素晴らしい製品だったようなのですが、 既に販売終了で、問い合わせしたところ、再販の予定もなくデッドストックなどの在庫もないようでした。

まぁデスクワーク的な作業もできるとよいので「くぼみ」などもない方が良いのは良いですから、 今回はあきらめて指紋の付きやすい天板にしています(実際付きやすいです)。

この辺りの問題は特に天板の色などに大きなこだわりがなければ全然問題にならないと思います。

ホームセンターや既製品でDIYする

ホームセンターなどでも木材は販売されているので、適度なものを選べばDIYは可能です。 塗装できたり厚みや材の選択もできますね。塗装は面積が広いので都合の良い広いスペースがないと難しいかもしれませんが、 ニスやペイント、エージング系の加工とかはできちゃいそうです。

DIYの最大の利点はなにより形状と大きさが自由に選択できることです。 角のアール(丸み)やケーブル用などの穴あけだって自由自在です。 実際のところ、公式には160cmまでの天板しか(執筆時次点では)ありませんし、それより大きい天板が必要ならDIYしかありえません。

既製品

元々使っていたテーブルが黒で指紋もつかず傷もつかず、価格も安価で軽いと最高な条件がそろっていたので、 少し大きめの同様の製品を購入して天板だけを利用することを考えました。

ただ、今回は穴あけ位置が既製品の物と干渉しないかや、求められる強度の程度が分からなかったことから見送りました。 丁度写真のようにネジ穴が埋め込まれていたりするのです。このようなネジ穴でなくても、例えば穴だけでも干渉する可能性はあります。 

IKEAなどでも天板だけ販売されていたりしますし、脚フレームの対応サイズを確認しながら好みのものを探すのはアリかもしれませんね。 次回デスクをアップデートするときはあり得ると思います。

ちなみに製品はこちら。手ごろで強度があり指紋もつかず、良い製品だと思います。


オーダーメイド

指紋のつき難い黒(ないし好きなカラーや素材感)、サイズも自由にしたいとなると、オーダーメイドすることになります。 検索すると「弘形工芸」さんが多くヒットし、たくさんの人が依頼を出していることが分かります。

TK-6400K メラミン化粧板黒指紋が目立ちにくいメラミンー弘形工芸

素材サンプルを取り寄せたり見積もりを取っていただけるので、オーダーメイドを検討する人は参考までに。 今回は価格の面から見送り、既製品の流用か公式の物かで悩んで公式の物を使うようにしました。