私の最初の時計MTG-B3000のレビュー
CASIOより
私にとっての0本目、最初の時計がG-SHOCK MTG-B3000です。
1本目ではなく0本目と呼ぶ理由は、時計の初心者向け記事「1本目の時計の選び方」で書いています。 「高い機械式時計とか買う前に、まずは1本G-SHOCKとか買ってみて、本当に自分が時計使うかどうか、どうやって選んでいくか、みたいな体験をしとこう」 って趣旨で、1本目を高級時計と据えたときの0本目、という考え方です。
以降は、最初に選んだ理由、よい点などを挙げていって、あとは悪い点を続けます。
フィット感と直感的な良さ
時計買う時はこれに尽きるんですが、ヨドバシカメラさんで試着したとき、ビビッと来たんですよね。 良い時計を選んだ感覚があるときに来るそれを、この時計から感じた以上の理由がありません。 見た目が好きで、試着しに行って、そのときビビット来た。以上。
最初の時計になるので、特に時計としてどういうところに注目したい、という見方はできませんでした。 見た目が気に入るか、装着したとき、自分に似合うかどうか、だけが焦点でした。
ただ具体的にすると、見た目の厳つさ以上に装着感が良かった。
歴代MTGシリーズは、MTG-1000、2000とがありますが、この3000はいずれの物よりもケースが薄いのです。 特にブラックモデルは標準のベルトがウレタンですし、それと相まって装着感は私の細腕でもよかったのです。
私の腕周り、14cm~14.5cmと男性にしてはかなりの細腕です。 ベルトの穴は2番目に短い所ですが、一番短い所でも通るくらいです。14cm未満の人は辛そう。
実際今でもよいと思います。
タフさ
いわずもがなタフさは良い点です。 最初の時計ということで、普段つけなれないことからぶつけたり落としたりが予見されました。G-SHOCKがそんな状況にハマらないわけがないんですよね。
また行く末に高級時計を購入するにしても、スポーツ用というか、ラフユースのためにG-SHOCKはいずれにせよ必要になることが分かっていましたから、 最初の時計にもってこいでした。
ちなみに衝撃に強いと言われる手の機械式時計で、1m50cmから木製の床への自由落下程度は安全です、といった程度です。 G-SHOCKが如何に強固かが分かりますね。クォーツ、デジタルならではの物作りで、そこは非常に良いポジションを確立した製品だと思います。
価格帯
価格帯についても、今でこそ値上げしてしまいましたが、当時は5,000円だかのキャッシュバックキャンペーンもやっていて、かなり安価に購入することが出来ました。 価格相応かそれ以上の造りの良さはしていると思います(ただし後述する悪い点はある)。
値上げした現在でもAmazon公式ストアとかでは大きな値上げになっていませんし、十分に価格に見合う品質をしていると思います。
※ただAmazon公式G-SHOCKストアと、CASIOの公式ストアとで、Amazonの方が安価であるの非常によくないと思う。 結構な乖離がある。ブランディングが下手と思わざるを得ない。
実は長期保証がある
G-SHOCK、気に入ったとて長く使えないんじゃないかなぁとちょっと心配したりもしましたが、 ハイエンド寄りのラインには公式にサポートがあります。
プレミアムブランド専用修理サービス―CASIOOCEANUS, MR-G, MT-G, PRO TRECKシリーズは、専用の長期保守対応が公式に用意されています。 生産終了後も10年は保証されるとのことなので、気に入ったら長く使える点が良いですね。
ハイエンドのOCEANUS, MR-Gはかなり高額の部類ですが、MT-Gシリーズの価格帯でこの対応はかなり嬉しいですね。
執筆時点での事情ですが、ずいぶん前に販売終了していたG-SHOCK/FrogManの外装修理を対応したり、 最近の時計市場の賑わいもあってか、G-SHOCKはかなりサポートされている印象。ファンも多いですもんね。
視認性が悪い
今ならG-SHOCKシリーズにありがちだと評価できますが、とにかく視認性が悪い。特に夜間は最悪です。
インデックスはキラっと光る鏡面仕上げのおかげで見やすいですが、針が悪い。 蓄光と量も針そのものも極めてマットな質感で、サンレイ的に輝く文字盤に負けがちです。 ※代わりに文字盤とインデックスからはチープな印象を受けないです。
せめて蓄光塗料が白ならよかったのにと思います。黒くするテーマなのは分かるが、視認性にはこだわってほしかった。
一般にスーパールミノバは色があるものの方が蓄光能力が高いんですが、この塗料の夜光能力も高くなく、 十分に蓄光した状態でなければ雀の涙程度にしか光りません。
リッチな夜光塗料が使えないなら、せめて視認性に比重を寄せてほしかったですね。
なお風防は内面反射防止コーティングのサファイアグラスです。風防のせいで視認性が悪い、という状況は経験的にありません。 表面のコーティングが傷ついて視認性を落とす、なんてことながい辺りは流石の設計ですね。
裏面もよい水洗いもできる
裏面は可もなく不可もなく。洗おうとしてまだレビュー記事にしていないことを思い出したので、汚れていますね。
掘りになっているので、そこに汚れがたまりやすい形状ではありますが、いずれにせよ裏面にはビスなどの凹凸がありがちですし、 彫刻とかに比べたらはるかにまし。スペック的にも水洗いできますしね。プリントじゃない分だけラグジュアリー感があると思えばプラスでしょう。
また性質上ハードユースするシーンがあり得ますが、多少の隙間がある方が、汗や水などでペタッと張り付いた感覚がないとも考えられます。 総じてポジティブです。
ベルトの販売なんとかするべき
以降は悪い所です。
ブランディングというか商売が下手というかなんですが、せっかくワンプッシュで簡単にベルトが付け替えられる仕様なのに、 オプションとして販売されているベルトが、黒ウレタンか黒メタルかの2種類だけ、色違いの後続機が多数リリースした後もずーっとその2種類のまんまです。
付け替えを売りにしないなら、特殊な機構を積まない方が良かった気がします。開発・製造コストがかかるからです。
後続のMR-Gに同じ機構を積んできたわけでもないので、本当に何がしたいんだろう。せめて後続のMT-Gには同じ機構を積んでほしいものです。 そして願わくば生かすようなカラバリやサイズ展開などがあることを期待したい。
ケースデザインの都合でなかなか似合うの作るのも難しいんだろうな、という察しはあります。 また技術屋的には、とりあえず技術積みたいというのも理解はできます。
ちなみに専用のベルトを使う機構にありがちですが、バネ棒が太めの特殊形状でケース本体側に寄せられているため、 NATOベルトなどもなかなか装着が難しいと思います。薄ければ何とか。
直感的でないインターフェース
この時計にはLEDライトで文字盤を照らす機能がついています。それは素晴らしい。じゃあ夜光要らないじゃんって個人的には思います。 もっと文字盤の視認性を上げる方向に振ってほしかった。
それはそれとして、インターフェースが悪いです。ストップウォッチ機能を使わない状態で、時計右側のボタンを操作することでライトが光ります。
ただし、上のボタンを押したら、下側のボタンの根元から光るんですよ。なんでこんな仕様にしちゃったんでしょう?理解できない。 仮に耐衝撃性とか、基盤レイアウトの都合だったとしても、妥協するべき場所ではなかったと思います。
モバイルリンクの良し悪し
昨今の流れから避けられないんだとは思うんですけど、モバイルリンク機能は個人的には不要だったかなと思います。 その分のリソースを他に回してほしかった。
例えば最近出たフロッグマンの MRG-BF1000R-1AJR なんかだと、ダイビングデータのレコードとかっていう側面から理解できます。 同じく登山仕様の時計とかね。しかしこのMT-Gにそういった目的の機能はついていないわけで、何のために使うんだという話です。
ちなみにMR-Gフロッグマンも上のボタンを押して、下からライトが光ります。まだLIGHTって表面に書いてあるだけまし。 ただ右下のボタンがストップウォッチのスタートストップになってて、一般的なクロノグラフとチグハグ…、どうしてこうなった…。 MR-Gフロッグマンについてはここでは本題でないので後は割愛。
MR-Gフロッグマンも見た目が好きなだけに残念。
MRG-BF1000R-1A-CASIOその他の感想など
総じて「プロダクトデザインちゃんとしてください」といった時計の評価です。
悪い所もかなり強めに書きましたが、結局のところ好きで使っています。好きなところはやっぱり見た目です。 「見た目から機能性やタフさが伝わる、ハードユースするのに躊躇いを覚えさせない」という点においては、 この製品は最も重要なデザインへの要求を満たしたと思います(インターフェースは悪いが)。
またメタル素材であることから従来のG-SHOCKと違い、多少のラグジュアリー感があるのも大変良いです。 使うのをためらわせず、ツールウォッチとして十分な性能を持ち、しかしチープに感じさせない、というのはデイリーユースには非常に良いです。
視認性や操作性の面に関わるインターフェースは是非何とかしていってほしいですね。
個人的にはボタン操作周りを難解にしない方が良い、という考え方をしています。そういったことを学ばせてくれた時計でした。 時計に求める機能はどこまでか、どの機能までが最適解か、といった話です。長くなるので割愛。
ベルトの販売経路
Amazonではベルトを取り扱わなくなったのか在庫切れ状態が続いています。 公式からは購入できますが、24年3月現在でベルトの種類は増えてませんね。