RIMOWAエッセンシャル チェックイン85Lのレビュー
RIMOWAのスーツケース「エッセンシャル チェックイン 85L」を購入したのでそのレビューの記事です。
事の経緯を先に説明しておきます。一般的な営業サラリーマンや航空機の関係者ほどではないが、国内外問わず長期の出張がそれなりにあるので、スーツケースを購入することにしました。
執筆時次点で所属している会社ではいくつものスーツケースが管理されていてそれを借り受けたり、レンタルサービスなんかもあるんですが、 いちいち預かったり返品したり気を使ったりが面倒になって購入した、という経緯です。
なので、まず利用頻度が高くない人はレンタルを検討しましょう。特に大きなスーツケースを必要とする場合です。 場所を取るし、値段も高くなるしでレンタルの方が良いケースは多いと思います。
ハードに使い込まれたスーツケースの情報あり
これまでは会社で管理・使い回しているいくつかの大手メーカーのスーツケースを色々と試してきました。 会社で管理されているのはSamsonite(サムソナイト)を始めとして、Amazonの汎用や、BERMAS(バーマス)などがあります。
このBERMAS(上記図の赤いやつ)は、私が2016年-17年にロンドン行きのときだかシンガポール行きだかの時に経費購入したものです。
1人や1世帯で使う頻度よりも、複数人で使い回されているこれらのスーツケースは、圧倒的に耐久試験されていると言って過言じゃないです。 そもそも衣類だけならまだしも、弊社の機材などを突っ込むし、国内外問わないのでかなりラフに扱われています。
それらのことから、経験的には「BERMAS」のロック式(非ファスナー式)が大変優秀であることは知っています(上記図の赤いやつ)。
ところが超メジャーであるところの「RIMOWA」は試す機会に恵まれなかったので、プライベートで試してみることにしたのです。
エッセンシャルチェックインにした理由
RIMOWAにはいくらか種類がありますが「エッセンシェル チェックイン」にした理由がいくつかあります。
アルミ製は重いかも
まずは重量です。重量が重くなるほど、移動時の疲労が増します。また積み込める荷物量の制限にも繋がってきます、重量制限があるからです。
航空会社や行き先によってバラつきはありますが、概ね20kgまでで制限されます。プレミア、ビジネス、ファーストクラスに乗ったり、追加料金を支払う場合には、この限りではありません。
RIMOWAと言えばジュラルミン・アルミニウムの金属ベースのスーツケースを想像しますが、重い。ルックスは最高にかっこいいんですが、重さを理由に樹脂を選択しました。
アルミシリーズを選ぶとすれば、移動中の労力は問わない、預け荷物の重量超過は問わない、ルックスが大事、中身の保護力が大事、という場合になると思います。保護性能はかなり高いですね。
ちなみにRIMOWA ORIGINALのチェックインL(エッセンシャルとほとんど同じサイズのもの)は、6.2kg, エッセンシャルチェックインLは 4.8kg です。概ね1.5Kgの違いです。 正直2Lペットボトル1つ分も重さは変わらないと考えれば、誤差の範囲かもしれません。
なお価格は倍とは言いませんが、1.8倍くらいです。
一定の強固さは欲しい
重量について述べていますが「エッセンシャル」より軽い「エッセンシャルライト」も存在します。調べた限り、大手メーカーの中ではサイズに対して最軽量です。
ただエッセンシャルライトは「角の補強がない」「T字ハンドル」であることが大変気になりました。
四角の形状である以上、一番強い負荷がかかるのは、辺でも面でもない、角にある「点」です。国外における荷物の扱いのずさんさは度々話題になりますが、 その通りです、としか言いようがありません。
また「T字ハンドル」ですが、大きいサイズのスーツケースには向かないと思います。大きいサイズになると内容物がそれなりに多くなり、全体の重量は上がります。 それを1つの細いハンドルで制御しようとすると、大きくしなるのは想像に難くありません。
またスーツケースは大きく露出して稼働する部位ほど破損しやすく、概ねタイヤ、ハンドル、本体の順に破損しやすいです。 そこを1本にするには、高い価格を払うには、どうにも不安が残りました。もちろんRIMOWAも設計上の配慮はしてるでしょうけどね。
総じて、エッセンシャルでも十分に軽いので、エッセンシャルライトにする由はなかったです。
もしエッセンシャルライトを選ぶなら、軽さ至上主義、中身は破損しないものがほとんど、T字ハンドルでも気にならないサイズ(持ち込み荷物や新幹線などの移動向け)と言ったところでしょう。 私のユースには合いませんでした。
軽いが外装は柔らかいので注意
ファスナー式かつ樹脂製のスーツケースの多くに共通することですが、RIMOWAも違わず、指で押すとスーツケースが湾曲します。 たとえファスナーを閉じていてもです。これは軽さと引き換えになるもので、ほとんどの場合に避けることができません。
この問題が解決されているスーツケースはいくらかあって、1つはファスナー式ではなく、ロック式であるものです。 ファスナーに相当する部位が金属製になっていて、そこに樹脂のカバー部分が強固に取り付けられるため、ほとんど湾曲しません。
もう1つ軽減されている例は、樹脂が分厚いか、補強されているものです。厚さによって強度が変わることは言うまでもありませんが、 他に曲がりやすい箇所にリブ(凹凸)を付けて曲がりにくくしたり、プレートを付けて曲がりにくくしたりするものがあります。
ただし、いずれの問題の解決方法にしても、ややスーツケースそのものの重さが増してしまうことは避けられないです。 あるいは、大きさ当たりの収容力もわずかながら犠牲になります。
エッセンシャルの場合は過度に補強があるので、角は曲がりそうにありません。最もぶつけるか率の高い部位に補強があるのはやはり安心感があります。
安全に機材を運んだり、お土産などを運びたい、みたいな需要がある場合は、エッセンシャルライトのこの湾曲は大いに欠点になるでしょう。 ある程度軽量で強固なスーツケースには「BERMAS」をオススメしています。過去に利用した経験から、丁度いいバランスを取っていると思います。
もしRIMOWAを買わないなら、私は迷わず「BERMAS」を買います(実際最後まで悩んだ)。
ステッカー張りにくいかも
欠点というか、若干余談気味ですけど、シールやステッカーが貼りにくいです。逆を言えば、空港で輸送時に張られるシールもはがれやすいということで、奇麗な状態を保ちやすいということです。 表面に微細な凹凸のある樹脂によって、シールやステッカーが密着しないためです。
RIMOWAのエッセンシャルシリーズ、色によってはマットブラック・グロッシーブラックとがあり、これはマットブラックです。 もしかするとグロッシーブラックだと、表面に凹凸が少なくて、ステッカー張りやすいかもしれません(反射するほど、光沢感があるほど、表面はツルツルになる)。
タグやベルトで解決するか、ステッカーで識別したければセメダイン的なもので上手く凹凸の隙間を埋めて張り付ける必要があります。私はセメダイン使いました。
真贋判定と背品登録
ドイツのメーカーなので、一部の公式(代理店)店舗以外では通販で購入することになりますが、それなりに怪しいね通販店舗や製品もちらほらとあります。デザインを真似た製品もあるくらいですしね。
基本的には「公式サイトで製品登録」ができることを目安に、真贋判定するのが一番良いと思います。 なのでトラブル時の返品不可、保証なしのところは基本的に信用しないのがよさそうです。
もっともこの価格帯のスーツケースを購入しようという人たちが、小さな(総額に対し)コストを嫌って怪しいところから購入するケースの方が少ないとは思うのですけども。
公式サイトでアカウントを作成し、製品を登録すると保証を受けられるようになります。製品登録時には製造番号を入力することが求められます。
この製造番号なんですが、公式サイトではスーツケース本体のヒンジ付近を参照するように指示されます。これが大変見難いので注意。 利用後だと削れそうですね。
本体以外にも、梱包されてきた段ボールにも同じ番号が記載されていました。探せば書類周りにもあるかもしれないが割愛。
問題は外装から番号がバレてしまうことで、これによって登録済み番号を使った偽の製品が出回ったりしている、といった状況らしいです。 したがって、登録できない製品は偽であるとした方が良いし、公式の製品であっても保証が受けられなくなるので、購入店舗にその旨伝えましょう、といったことになります。
逆を言えば、製品登録後は返品できない点にも注意です。
スーツケース選びまとめ
ここで紹介したスーツケース選びの情報をまとめておきます。
- たまにしか大きいサイズを使わないなら、買わずにレンタルを検討する
- 軽さと強固さはトレードオフ
- 軽さと強固さの良いとこどりをしたければ「BERMAS」の非ファスナー式(ロック式)をオススメ
- エッセンシャルライトは軽いけど、大きいサイズの場合は推奨しない
- アルミ製を選ぶ人は2パターン
- どうしても強固である必要がある
- 重くなっても見た目を取りたいし、追加料金や輸送費用も気にしない人
まぁもし次があるなら、やっぱりバーマスのフレームタイプに帰るか、今度こそRIMOWA ORIGINALにすると思います。お金持ちになれてるといいですね。 なお、何度か使った使用感レビューは追って追記しようと思います。
追記:実際に使ってきた/2か月後レビュー
実際に2か月の北京出張に使ってきました。預け荷物の制限は1つ当たり20kgのところ、17kgで計測。 アルミ製のRIMOWA ORIGINAとの重量差は1.5kgですから、もしRIMOWA ORIGINALを選んでてもギリギリ通過できたことになります。 なお帰国時はお土産入れたり、荷物逃がしたりで20kgだったので、油断はなりませんが…。 ※職業柄ですが一般的な方と比較して、機械類が多め、代わりに衣類が少なめ、みたいな環境です。
中途半端にエッセンシャルチェックインを選んでしまうくらいなら、RIMOWA ORIGINALとか、アルミ製の方を選んだ方が良さそうですね、 どうせRIMOWAを選ぶなら。重量は正味15kgを超えてきたらどうせ重いです。 自分で運ぶことが前提ならそもそも85kgのスーツケースを選ぶなという話ですし、それでも容量が必要なら小さいスーツケース2つ持ちの方が取り回しもしやすそう。
というわけで改めての結論は以下の通りです。
- 高いお金を払ってRIMOWAにするなら、大人しくアルミ製にしたほうが満足度は高そう。
- 軽量さと堅牢さとより安価を狙うならBERMASが良い。
- 中身の保護が必要になるなら猶更アルミで堅牢なものを。
ややエッセンシャルライトを酷評する形になりました。 同じタイミングで出張に飛んだ仲間の複数がプライベートのアルミRIMOWAを持ってきていて、良さもより分かりましたね。
エッセンシャルはエッセンシャルで、きちんと内容物も壊さず連れ帰ってくれたし、汚れが落ちやすかったりしたので利点はありました。 ただ、どうしても不安になる柔らかさなんですよね、スーツケースそのものの破損ではなく、内容物を心配するくらいなら、アルミにすればよかったかなぁという印象が勝りました。