スティック掃除機の合理的な選び方'21

スティック式・コードレス式の掃除機は多様にありますが、ここでは私が取捨選択した経緯について紹介します。 最終的には Dyson の Digital Slim を選んだのですが、商品レビューは別のページでします。

店頭で試したほうがいい

当たり前ですが改めて「一度は店頭で試しましょう」。最終的にネットで購入するにせです。

何も考えずに店頭で行くことはしないでおきましょう。製品数が多すぎて絞れない、などの問題が起こります。 事前に情報を集めて、いくらか候補を決めていった方が、特定の商品の情報を深堀できます。

候補のものがいくつか試せた方が、後悔が少ないですし、目当てのものと比較して、ここが良い・悪いの方が判断が明瞭です。

これはそう買い替える物でない物に共通することではありますが、こと掃除機に関しては触らないと「動かしやすさ」が分からないです。

重量や自走式であるかどうかが掲載されているから問題がない、ということはありません。 ネットに無数にあるレビューを見ればわかる通り、製品の謳い文句以上に軽い・重いなどの情報は多く出てきます。

あたりを付けるための情報

大ザックリまとめ情報が公開されているものを参考にすればよいと思います。多くの人が候補に挙げるであろう Dyson なんて型番が多すぎてどれがどうとか初見では絶対分からないです(自分もその一人)。

体感は何で異なるのか

スティック式・コードレス式掃除機の体感のバラつきの差は概ね、重量・重心・全長に依存するように思いました。 重心が低い方が押しやすいですが、持ち上げての小回りが利きにくいのは、てこの原理から自明です。 図は分かりやすさのために極端な例にしても、長い棒の先端が重たい方が持ち上げたり扱いにくいですよね。

全長は押しやすさに依存してきます。軽かったとしても身長や腕の長さに対して掃除機の全長が合わないと、押しにくさを感じます。 もちろん全長がより長ければ、てこの原理もより大きく働いてきます。

重量は言うまでもありませんが、製品の特性上、重量は重いほどパワーがあるか稼働時間が長いかである傾向にあります。 つまり、性能はバッテリーの力に大きく依存しているのです。

スティック・コードレス式に求めるのは小回り

スティック式・コードレス式に求めるのは小回りと、自分が必要とする程度のパワーだと思います。 理想を言えばバッテリーの持ちが良いとかメンテがしやすいとか色々ありますが、小回りが利かなければスティック式・コードレス式を選ぶ意味がない、まで自分の場合は考えています。 したがって、低重心の物は選択肢から外しました。

画期的な自走機能などがあれば問題が解決するのかな、と思っていましたが、店頭で他の掃除機を扱ったときと比較して、圧倒的に取り回しがしにくい。 自走にしても重さを感じます。

持ち上げ頻度が少ないような広いスペースを一気に掃除する目的であればよいのかもしれませんが、そうなるとスティック・コードレス式を選択しなくてもよいでしょう。 低重心の分だけ多少重くしたり自走機能がリッチですが、そんなに広いとこを目的として小回りしないなら充電しながらでもいいし、ケーブルあった方がパワーも集積容量も大きいです。

先端が重い・厚い製品の他の欠点として、狭い・低いところに入りにくいし、それをもって別のところに行って作業するなどもしにくいですね。 車とかベッドの上とか高いところとかetc…。ノズルで解決みたいなこともありますが、バラす箇所が多いか、重心的にも扱いにくい印象をぬぐえないです。

(余談ながらバルミューダのシンプルなルックスは好きなので期待していたが私には非常に使いにくくて残念だった)

安価なものはどうか

アイリスやAnkerなどの安価なものはどうかと思ったんですが、これらについては価格で選ぶ必要があるときにするべきかなと思います。

Ankerは残念ながら試せなかったんですが、アイリスはデザイン面も見る自分には合わなかったのと、 最初にスティック・コードレス式を購入するならある程度の製品を知っておきたいモチベーションがあったので選択肢から外しました。

高価格帯のものと比較してパワー面で劣るなどがあったとして、一般的な住宅シーンでの違いは布団やラグ・カーペット類の掃除でしょう。 マンションであれば布団を干せない、叩けないなどの規約があることが多いですが、そういった状況下で掃除機を使って掃除したいとき、 パワー重視の必要があるかもしれません。

一方で他の方法で掃除洗濯ができる場合や、そもそもラグなどがない場合はほとんど影響しないです。 高価格帯のものと比較してパワーが弱くあっても使えないわけではないですしね。 一般販売されている掃除機が一般的な家庭で出るゴミすら吸えないことはまずまずないです。

やや余談ですが店頭テストでよくあるゴミを散らかしただけの吸引力テストはほとんど意味がないと思います。 そもそもそれくらい吸えてくれないと掃除機として販売できないですので。最低限は吸えるんだなくらいに考えましょう。 自分で押して吸ってみて吸いやすいかどうかは当てになります。あとはカーペットに粉などの悪条件下でのテストかどうかとか、 同じ条件で複数の掃除機を試せるか、みたいな観点がありますが割愛。

あとアイリスについてはシンプルにフィーリングも理由です。吸引力もそれほど強くなさそうな印象だったし、 あと好きじゃないのは、1.3kgと掲載しておきながら、実際にはバッテリーなどを含めて2.1kgなところです。 2.1kgは軽量な方なので、最初からそうやって書けばいいのにっていう不信感。アイリス製品自体は安価で十分なものも多く、 利用する機会も多くありますが、今回はネガな印象が先に来てしまって見送り。

Raycop が最後まで候補に残った

意外とレイコップが最後まで選択肢に残りました。布団クリーナーのダニ駆除問題が記憶にあってネガティブな印象を持つ人もいるでしょう。正直な話自分もそうです。 知らない人のために簡単に説明すると、UVライトによってダニを駆除できるような優良誤認させる売り方をしていたが、現実的な使用方法でそのような性能はなかった、という話です。

レイコップ最新の上位モデルには変わらずUVライトがついていて、いかにもなんですが、ダニ駆除ではなくウイルス除去などを目的としています。 日本食品分析、北里環境科学センター、東京環境アレルギー研究所などの調査は挟んでいるようですが、私の方でそれらの結果やデータは精査していません。重要視していないというのもあります。 理想条件下であろうことも想像がつくし、そこに期待するものは今のところありません。

詳細なレビューについては「新時代こそ「レイコップのスティック掃除機」が必要だ! ウイルス対策の幅を広げた「RSC-300」濃厚レビュー」 が大変参考になります。

下位機種にはこのUVライトがついておらず、その分だけ安価です。私が良いと思ったところはいくつかあります。

  • ボタン式であること(引き金・トリガー式の場合は使う間ずっと引いている必要がある)
  • ブラシとノズルがほぼ完全に倒せること
  • ルックスが簡素で好みである
  • 価格にたいしての稼働時間と吸引力(強くはないが用途に対して十分に感じた)
  • バラしやすい = 洗いやすい = メンテしやすい
  • バッテリー着脱式で埋め込み式じゃない

最終的に選んだ Digital Slim とレイコップのブラシヘッドとパイプの傾けの様子。レイコップの傾きは本当に180に等しいレベルで寝るのがよい。 Digital Slim はまっすぐには傾きが効くのですが、横方向への傾きには限界があり角度がついてしまいます。

3万円切ってこの機能なので、正直十二分にあり得ました。メインの掃除機以外に(比較的)安価で軽量なサブ機を探してる人にはいいかもしれません。

最終的に選ばなかった理由は、パワーを売りにしている Dyson を基準にして、スティック・コードレス式の掃除機のパワーを知りたかったからです。 あとはポイントとか、サポートがやや弱そうとか、そういうところです。もし予算がもう少し少なくてアイリスとかAnker買うなら、もう少しお金出してこちらにしよう、になってたと思います。

繰り返しになりますが、最終的には Dyson を選んでますし、Dyson でよかったです。

どの Dyson にするのか

最終的に Dyson の Digital Slim を選んだんですが、Dyson を選ぶにあたって、v12(執筆時上位)か、Digital Slim かで迷いました。 端的には v12 はフルスペックで、Digital Slim はコンパクトです。

そもそも Dyson のカラーリングがあまり好きじゃなく、試す前から Digital Slim のシルバー系が優位でした。 オプション付くと紫とか黄色になるのやめてほしい。v12も比較的に派手なカラーが多いのが苦手でした。 部屋に気軽に立てかけて置いて、気が付いたときにかける、みたいなの正気かと。 メカメカしいカラーは先端テクノロジーを感じさせるものですが、ユースケースに本当にあってるのかと問いたい。

やや話が逸れましたが決定的だったのは実際に2つとも試してv12は大きくて取り回しにくそうだなと思ったためです。 重量は問題にならないなと思ったのですが、v12の方がフルスペックの分だけパイプが長く持ち手の周辺機器も大きい。 押してかけてみた感覚で、私の部屋には大きいと思ってしまったのです。

部屋のサイズ次第では v12 くらいの方が構えた時に楽な可能性もありますが、Dysonはそもそも国外の製品でアジア人にはやや大きいようにも思います。 私の体系は175/65ですが、それでちょっと大きいなと感じる程度です。特に女性は Digital Slim の方が刺さる人が多いでしょう。

また現在の住まいは2DKとはいえ各部屋が小さい都内の部屋です。 家具を避けて掃除機をかけるには小回りが利く方が良いし、直線的に掃除機をかける時間もそれほど長くないことから、大型である必要もなさそうです。

  • v12 はボタン式、Digital Slim はトリガー式
  • v12 の方が吸引力が強い。
  • v12 の方がバッテリーの稼働時間が長い。

大きさが異なるだけあってこれくらいの違いがあります。トリガー式なのは、軽量コンパクトにする分だけバッテリーも小さくなり、 こまめに節電したほうが良いからでしょう。軽量だからトリガーを引きながらの掃除でも問題ない、という思考のようにも見えます。

吸引力については v12 は我が家には過剰そうで、Digital Slim でも旧式のフルスペック Dyson とほぼ同等であるとの公式情報から、日常的には十分そうです。 自宅以外のどこかに持って行って使う場合も小さい方が楽そう。

私も過去に経験がありますが、ペットがいる場合に限りですが、ゴミ容量と毛のためのパワーが必要になり v12 などのフルスペックを検討するかなと思います。 それ以外は Digital Slim がよさそうです。

なお v12 にしても Digital Slim にしてもバッテリーが着脱式で閉まっておいても充電できる点は評価しています。 必要なら予備バッテリーを買い足せば稼働時間の延長もできますしね。

omni-glide と Micro

ちなみに omni-glide はヘッドが倒れるのは良いがレイコップほどではなく、ヘッドにやや重みを感じたのと基本的にはフローリングまたはカーペットに用途が限定されることからナシに。 Microは流石に小型すぎるのでメインの掃除機にはできないな、という点からナシになりました。