オートロックをスマホで解除する

鍵って小さい割に重要なので落とさないようにしますよね。 その状態から鍵を取り出して、どれだどれだとやって、マンションなどの共有スペースのオートロックの解除、という手順が面倒なんです。 なんなら自宅の玄関の鍵ですら面倒です。

ここではマンションのオートロックをスマホで解除できるようにする仕組みの導入記録を残しておきます。

このページのいくらかの情報は、偉大なる先駆者たちを参考にしています。

形式によっては導入価値ナシ

重要なので最初に話をしておきますが、ここに紹介するような受話器形式の多くに対して導入価値ナシだと思います。 何故かというと、鍵を開けるまでの手順が増えて、かえって面倒になり、機材費だけがかかるケースがほとんどだからです。

スマホはあるけど鍵を忘れて締め出されるケースに対応できる、 鍵を持ち歩かなくてもよい(出さなくてもよい)、というメリットはありますが、ほとんどロマン向けと考えてよいと思います。

受話器形式の問題点ですが、受話器を上げなければ「開錠ボタン」を押しても無効で、 かつ、玄関口から部屋番号を鳴らされた状態である必要がある、というものがほとんどのようでした。

つまり、(1) 部屋番号を呼び出し (2) スマホを操作する、と手順が2つ必要になるのです。

比較的新しい設備の物であれば受話器がない一体型のために機材数や工作手順を減らせたり、 そもそも開錠ボタンがいつでも機能するものもあるようです。

もし導入を検討しているならよく調べた方が良いでしょう。私の場合は「ロマン」を追いました。

単に鍵を忘れたとき用、とかであれば、ポストの内側に取り出せない箱でも入れて、その中に鍵を入れる方が堅実です。 機材・スマホの電池切れや、そもそもスマホもない、みたいなケースに対応できますしね。

実装の解説

全体像はこんな感じです。1台目のスイッチボットで受話器を引き上げ、2台目のスイッチボットで本体の開錠ボタンを押します。

受話器を引き上げるスイッチボットは、トグル(ON/OFF)スイッチモード、ONのときに持ち上がるように設定してあります。 つまり写真の状態が通常時です。稼働すると壁側の方に傾きます。これくらいの距離しか持ち上げられない、ということにもなります。

受話器を釣りあげているワイヤーはホームセンターで買ってきましたが、通って固定できるものであれば本質的に何でもよいです。 ここで使っているワイヤーの径は0.45mmですが、0.5mmでも入りそう。0.45mmだと真ん中の切込みにわずかに引っかかるので理想は0.5mmかもしれません。 (径の判断なども全部自己責任で、まぁ仮に入らなくても 0.05mm くらいなら削るとかで対応できそうですが)

製品紹介用に広告掲載しておきますが、amazonとかで買うよりホームセンターで切り売り買った方が安いと思います。メーター180円でした。

受話器側は100均などでも購入できる壁などに貼るようのフックを反転して使っています。 フックを短く切っておくことで、通常の来客時に受話器を素早く取り外せるようにしています。 ちょっと上に引っ張れば取れます。

長い方が取り付けやすいですが、取付はゆっくりしてもよいですからね。 取り外しは早くでなきゃってなりますから、不用意に引っ張って壊さないようにする配慮です。 今は写真よりもさらに短くカットしています。

ワイヤーなどの加工とフックの取り付け位置は、受話器下のスイッチが解放されるように調整する必要があります。 概ねのワイヤーの長さを決めた後、テンションがかかるようにフックを取り付ければよいです。

なお、この受話器下のスイッチに直接スイッチボットを取り付ければよいかな、とも考えました。 しかしながら、それだと通常来客時に一度スイッチボットを起動して解除する必要があり、レスポンスも悪ければ手間も増えるので悪手ですね。

受話器にテンションをかけると傾くので解決するかもしれませんが、 持ち上げ時に受話器下のフック形状のものが引っかかるようなら、 マスキングテープなどを張ると解決できます。

IoT機器との連携

私はスイッチボットを2台、Amazon の Echo(Alexa) に接続しています。

スイッチボットの「シーン」から受話器のボット1、スイッチのボット2を順に起動するようにします。 受話器のボット1の稼働時間を 5~10 秒程度にしておくと、ボット2の実行に少々のラグがあっても対応できます。

なお Echo からも「定型実行」が作れますが、これはボット1とボット2を独立して実行してしまい、 ボット1が受話器を上げてる間にボット2を起動して開錠する、という手順が取れません。 受話器を上げて下げてスイッチを押す、みたいになります。

スイッチボットの方で「シーン」を作成すると、そのシーンが Echo の方から実行できるようになるので、 Echo 越しに活用するときは「シーン」を利用しましょう。

呼び出しだけで改良できないかの検討

理想形は玄関口で部屋番号を呼び出すプラスアルファだけで、もしくはスマホだけで開錠できるとよいです。 つまり手順を1つに収めたいのです。

部屋番号から鳴らした状態じゃないと開錠ができない仕様のオートロックなので、スマホだけでの開錠については今回はあきらめるしかありません。 できる人はそれが一番良いですね。

部屋番号を鳴らした後のアクションとして考えられるのは、音を感知して開錠をする、ですが、 これだといくらかの問題があります。

例えば音が鳴ったときに受話器を上げ「アレクサ、鍵開けて」などの音声コマンドで開錠することはできますが、 これだと通常来客時に困ります。

つまり自動で受話器が上がってるので「反応はあるようだが、鍵は開けてくれないし、呼びかけにも応じない」という状況が発生します。 この問題を解決するためには自動対応音声などを流す必要もありそうです。

この手の仕組みの問題はもう少しあります。自分が在宅しているときに受話器を上げられると呼び出し音が止まります。 自動対応音声を流していれば気が付けるかもしれませんが、自動対応音声がないと気が付けない可能性が上がります。通知をする仕組みが別途必要になってきます。

さらに受話器が持ち上がった状態なので、家の中の音が意図せず聞こえてしまいます。 問題にならなければよいですが、セキュリティ的にも心理的にもあまりよくはありませんね。

音の認識以外に着信ランプで反応させるとか、色々方法はありますが、いずれも上記の問題が生じがちです。 やはり、スマホだけで開錠できる、のが理想ですね。何とかならないだろうか…。