バイクのミラーの振動をゴム環を使って抑える

ミラーに通したゴム

Rebelのミラーをタナックスリュートミラーに交換したところ、70km 前後から振動が激しくなってきてしまいました。 この問題を解決するために、ミラーの付け根にゴムを挟んでみます。結論から言うと、完全な解決はできませんが、かなりマシになりました。

※後日談と注意事項を追記しました

振動を抑えるための方法論

ゴムによる問題解決の話をする前に、一般的な方法論についてまとめておきます。

振動問題を解決する最も簡単な方法はそもそも振動しないミラーに変えてしまうことですね、あとは取り付け確度によってもある程度は解決できる可能性があります。 そもそもミラーを作っているメーカー各社とて、振動を起こしたいわけではありません。

深刻な振動のほとんどは、そのバイク固有の振動と、ミラーにかかる振動とが共振するからのようです。

共振とは、振動する物体が、それとつながる他の部分の振動と同期して更に大きく振動することを指します。 ブランコで上手くタイミングを合わせてこぐと、さらに大きく振れていくあの現象です。

ミラーの共振を抑えるには、ミラーと繋がるハンドルバーか、ミラーそのものの、振動する位置を変更する必要があります。

ミラーの振動を抑えたり振動する位置を変更するには、本体を分解してウェイトを仕込むか、スペーサーなどを噛ませる方法が考えられます。 現実的には分解できるミラーはそれほどないでしょうから、スペーサーを選択することになるでしょう。

ハンドルバーについてはバーエンドウェイトという製品が多く販売されています。 バーエンドウェイトを取り付けることによって、振動する位置や、振動していた位置での振動の程度を変更することができます。 ※私はやったことがありませんが、物理的にそうなるであろうことは推察できます。

バーエンドウェイトについてはバイクの乗る方にはご存知、二ノ宮さんの動画を見て頂くのが良いでしょう。

ところが私が乗っている Rebel の場合には問題があって、標準のハンドルの先端部には溶接されたウェイトが埋め込まれていて、溶接加工しないと取り外せないようです。 つまりバーエンドウェイトを取り付けることができません。

対応する交換式のハンドルバーは各社から販売されていますが、 私の場合には標準ハンドルが良い感じの位置に収まっているので、 取り換えることに積極的ではなく、さらには取り換えは結構な労力が必要です;

あるいはミラーマウントなどを追加でバーに取り付けて、ウェイトを足す、 という選択肢もあるかもしれませんが、見た目に不格好ですね。 機能面だけで見れば概ね標準のミラーで用件を満たすわけですから、 見た目に拘らないのはナンセンスでしょう。

そこでひとまずできることとして考えたのが、ゴムなどの緩衝材を挟み込むことです。 検索してみるとチラホラと取り付けられている方々の記事を見かけますが、 それほど多くは見られないですし、結果についてもそれほど良い結果ばかりとは言い難いようですが、検証と思ってやってみます。

いくつか試してダメならミラーを変えてしまうか、やっぱりハンドルバーごと替えてしまうかになりますね。

ゴム環の選択

挟み込むゴムは加工して靴っても良いのですが、 ゴムワッシャーやゴムパッキンなども販売されているので、それを流用するのも良いと思います。 私の場合はとりあえずゴムパッキンを近所のホームセンターで買ってきて使ってみました。 使えるものは使いましょう。

私が取り付けたいミラーは、タナックスのリュートミラーで、ボルトの径が 19mm ネジの径が 10mm です。 概ねそれに近いものを購入しましたが、ネジより一回り小さいサイズが良いです。 ネジをしっかり巻いて埋め込むときに、ゴムが潰れてはみ出してくるためです。

内径だけ気を付けて、外形は 1 回りか 2 回り小さいサイズのがちょうど良いと思います。 内径はまずほとんどのミラーが 10mm でしょう。 もし都合の良いサイズがなければ「Oリング」だったり、 薄いゴムを買ってきて切って作るでも良いと思います。

効果の程度

ゴムの厚さ、硬さ、大きさによって効果は左右されると思いますが、 結論から言うと、視認できるレベルで振動は軽減されました。 摩擦力も十分ありますし、比較的薄いゴムを選択していたこともあってか、 ネジが緩んでくるようなこともありません。

※この話には後日談があります。

アイドリング状態でミラーに触れても振動の程度が分かりますが、 明らかに触れている状態で振動の感触が変わりました。

高速道路での高速走行についても 150 ~ 200km 程度は検証しましたが、かなり軽減されている印象があります。 ブレはするものの、ブレ幅が抑えられている、という印象です。全然見えるようになりました。

もちろん共振そのものを解消する場合と比較して、効果の程度は知れているでしょうし、 標準のミラーの設計の良さがうかがい知れますが、ゴムでもある程度は振動問題を軽減できることが確認できました。

ちなみにですが、私の乗っている Rebel では、右側の方が振動が大きいという特性があります。 ハンドルに取り付けられているマスターシリンダーなどの影響もありますし、 そもそもバイクが非対称でマフラーは右側についていますから、影響の程度は変わってくるハズです。 バイクを自分で弄らないとこういう車体特性などにも気が付かないものです。良い勉強になりました。

重要な後日談、ゴムの劣化が著しい

標準マフラーから外部マフラーへ変更したところ、車体全体の振動の程度が大きくなりました。 したがって、元より車体全体の揺れが大きい場合には、ゴム環程度では効果の程度が大きくない可能性があります。

実際に、効果が低減されているように感じました。ちょっと見えにくくなったなと。 逆にそれによって車体全体が明らかに揺れていることに気が付きました。

さらに重要な点ですが、ゴムの劣化・硬化によって、効果が薄れてくる、 留めネジが回りやすくなる、といった現象が確認できました。

回転しないように締め付けが強く、振動を強く与えられ続ける、フロントにあるため日が当たりやすい、 考えてもみれば、伸び切り、劣化しやすい環境がそろっています。もし効果があっても、交換頻度は高くなるでしょう。