RIMOWA ORIGINAL Check-In L を選んだ理由

以前に軽量さを求めて ESSENTIAL を購入したんですが、フレームの弱さとか色々を加味して、アルミ製のORIGINALを購入しました。 買いなおしたモチベーションとか、レビューとか色々まとめです。そのうち使用後レビューも書こうと思います。

ESSENTIALより強固にしても重量制限に収まる

RIMOWAエッセンシャル チェックイン85Lのレビュー

以前の長期の出張時にESSENTIALの同Lサイズに荷物を詰めた結果が、17kgでした。 フライトによって異なりますが20kgの上限に対して、3kgの余裕があります。

ESSENTIALは4.8kg、ORIGINAL Check-INは6.2kgで、その差が1.4kgです。 なので同じ重量を詰め込んでも、20kgの制限にはかからないことが分かっていました。

で、あらばより強固なフレーム式が良いなとなりました。 それより以前は同じくドイツ製のBERMASのスーツケースを使い続けていて全然気にしてなかったんですが、やっぱりスーツケースは歪まないで硬い方が良いです。

お土産とかetc、壊れるものを入れることがありますし、ファスナーは破損"させやすい"のでセキュリティ面で不安が残ります。 そういう不安がなくなるのなら、多少重くても問題ないです。持ち上げるものでもなし。

一番ややこしいのが重量オーバーしたときに追加料金で解決できない場合なんですが、まぁそんなことほとんどないですし。

直近でトランジットがあるフライトがいくらか予定されているので、アルミのスーツケースで耐久試してみたいな所もあって、 樹脂+フレームではなく、アルミ+フレームにしてみました。あと単純に長く使いたいし、道具は常にテンション上がるものにしたい。

キャスターはケース内側に収まるべし

スーツケースのキャスターの選び方として、ケース内側に収まること、という条件に気が付くようになりました。

特に預け荷物で扱う時に重要で、要するに投げ込まれたり他の物と衝突して破損するリスクを軽減できるからです。 機構上、どうしてもスーツケース本体の外側に回転して露出してしまいますが、ケース内に収まる方が事故リスクは軽減できますね。

手荷物であれば気にするほどの条件ではありません。ケース内側にキャスターが逃げる機構を作ると、 ケース本体の容量を小さくとも圧迫しますから、むしろ露出している方が自然でしょう。

なお他に4輪であることが私の理想条件です。4輪の方が圧力が分散されるし、いずれかが破損しても自走できる可能性が高いからです。

2輪の場合には負荷も大きくなりがちだし、いずれかの破損時に自走できる可能性も低くなってきます、特に移動方向の自由度は減るでしょう。 なので、2輪よりは4輪。

後はストッパー機能ですね。これ毎回欲しくなるんですが、ストッパー機能はやっぱり破損率が高いそうで、 それなら普通の車輪の方が良いと以前にプロフェッショナルな方から教わっており、それに従っています。

ハンドルとかに取り付けて置ける程度のサイズや重量感で、一時的にタイヤを動きにくくする、みたいな便利グッズがあると良いですね。 特定のスーツケースにではなく、汎用商品として。

造りで気になるのは2点

構造的に造りこみが甘いな、と思う個所もあります。1つは鍵が露出していること。ケースの窪みに収まりきってないんですよ。

このダイアルが故障すると開けなくなるので、もうちょい守るような形になっていてもいいんじゃないかなと思います。 別途鍵で開けれらるわけでもないので。

またハンドルも造りが甘いというか少々安いです。上まで引き伸ばし切る人がどれくらいいるかはわかりませんが、リジッドではなく、多少のガタツキがあります。

ただこのガタツキというのは必要な、いわゆるバックラッシュや遊びと呼ばれるもので、 要するに多少歪んだとて正しく伸縮ができるようにするために設けられているものだと思います。

差し引いてもプラスチックは割れやすそうだし、やっぱりケース外端に露出してるしで、もうちょい作りこめないかなとは思います。美観とトレードオフってところでしょうか。

あるいは、どうせ壊れやすい場所だから交換前提で安く作っておくか、という戦略とも考えられます。

ガタツキを軽減しようと思うとより歪まないようにリジッドに造る必要があるし、 そうするとフレームを工夫することで重くなったり容量を圧迫する必要が出てくるので、メーカー各社の思想が出てきそうな場所ではある。

Trunkと比較してCheck-Inにした

RIMOWAには Trunk なる容量がもう少しだけ大きいシリーズもあるんですよ(いつ出たんだろ)。 容量は大きくなりますが、大手航空会社の預け荷物のサイズ制限には収まっています。

じゃあ大きい方が良いじゃんってなるかもですが、いくらか考えることがあって、Check-In にしました。

※今回はRIMOWAの銀座通りにお世話になっていて、何度か触ってきた。Trunkはその時の写真。

容量・重量制限

1つは重量です。荷物をたくさん入れられるようになると、重量は増すわけですが、そうすると20kgの制限を超えてくる可能性があります。 Trunkの最大容量は、90L、Check-Inは86L、4Lの差です。

まぁ何を入れるのか次第ではあるんですが、ESSENTIALに荷物を入れた時の重量差を使って樹脂⇒アルミに変更したことを踏まえると、 さらに荷物を入れたら20kg超えてきちゃいそうだったんですよね。

非対称構造である

Trunkシリーズは対称性のある設計ではなくて、片側が底が深くて、反対側の底は浅い作りです。 こうなるだろうなって分かってましたが、開けた時に安定しないです。

荷物を入れたら別なんでしょうけど、安定しないのがちょっと嫌だなって。

ただし底が深いことにはメリットデメリットがあります。メリットは大きな荷物が入ること。 背の高い荷物、底の深さが必要な荷物、というものは人によっては生じると思います。

Check-Inシリーズでも収まるかもしれませんが、片側に収められるメリットはあるでしょう。

デメリットは、底が深いと、その底に沈んだ荷物が取り出しにくい、ということです。 まぁ言うほどの手間ではないかもしれませんが、留意しておくべきでしょう。

早くアクセスしたいものは、底が浅い方に収納する、という形でデメリットを消せるので、大きなデメリット、とまでは言えないです。

こちらも、もしかしたら大きくないデメリットですが「表裏・上下がある」ことでしょう。 厳密な意味での表裏は存在しませんが、深い方を下にする必要があります。それは造りの問題でもそうですし、荷物を入れたあとの重量配分的にもそうなるでしょう。

広げようとして表裏が逆だった、またひっくり返す、みたいな手間は避けたいものです。小さなストレスになりそう。

あとはなんやかんや重量配分が偏りそうだな、という印象もあります。どうしても深い方に荷物を入れていきますから。 奥行きがあると、動く余地も大きいわけで。この辺は使ってみないと分からないですけどね。多分気にならないだろうな、とは思います。

その他の比較検討

  • Check-Inよりわずかに高さが低いので、持ち上げるときに少し不利がありそう。
    • 身長がそれほど高くなくて、高さがない方が良いよ、ということであればメリットになります。
  • Check-Inよりわずかに厚いので、改札やゲートを通過したりするときに煩わしそう。
    • 通れないほどのものはないので、あんまりデメリットにはならなさそう。
    • 収納時や混雑時に場所を取りがちではある。垂直方向への方が一般にスペースは余っている。
  • Check-Inより低くて広いので安定はしそう。

永久保証化に隠された戦略

2022年7月25日以降に販売されたすべてのRIMOWAの製品が永久保証になりました。大手でも5年とかだったりしますから、インパクトがありますね。 まぁ正味5年も経てばよりよい新製品が出てる可能性もあるし、5年のうちに破損する確率が高い人ってそれなりの頻度で乗ってるでしょうから、多くの場合には5年で十分でしょう。

もっと言えば例えば一番壊れやすいキャスターとか交換しても大きな金額がかかるものでもないですしね。 キャスター修理代金がスーツケース本体代金と比べて高くつくようなら、そもそも保証はほとんどないだろうし買い替えた方が安い。 なので、生涯保証って実はそんなに重要ではないケースがあります。

(1) 頻繁に使う (2) 長く使いたい、って場合には生涯保証が効いてくると思います。 ようは故障回数が多いほどお得って話です。で、私は長く使いたい派なので、この保証はうれしいです。

あと生涯保証は高度で巧妙な戦略だと考えて、それが見事だと思って、それに乗っかった節があります。 これができるブランドは強かろうと。

広告をしてもらう

まず壊れるほど使い込んでくれる人は広告塔になるんですよ。頻繁に人目に付くし、壊れず長く使えることの証明にもなる。

スーツケースなんてそう日常で"目をつける"ものではないんです。多くは空港や駅でしょう。 自分がスーツケースを利用しようか、というシーンで初めて、他の人が使ってるスーツケースに目が行くんです。 ファッション要素は少なからずありますが、衣類や鞄のような広告を打ったとて、効果は低いでしょう。長く使うユーザが一番の広告になるんですよ。

情報収集する

次点、修理に出して貰えれば、故障しやすい部位、故障しやすい製造工場、そういった情報が集積できるんですよ。 利用後にアンケートに回答する人がどれだけいますか?レビューを書く人がどれだけいますか?多くないだろうし、そのユーザの情報がどれだけ信用できるかも分からないですよね。

修理に出すような使い方をするユーザの情報が最も信頼性が高く、さらにアンケートに答えれくれるのを待つような、ユーザにとってはネガティブで、 メーカーによっては受け身になりがちな仕組みではなくて、圧倒的に合理的で価値のある情報が得られるんですよ。 先の通りですがキャスターの交換費用なんて広告、情報収集、その顧客の維持と比較したら、割に合うコストですよ。

とは言え、世界展開できるレベルで、修理体制を維持できる資本体力のあるブランドならではの戦略なんですけど、これに気が付いたときは参りました。 LVMH傘下になっての流石の戦略ですね。

こちら銀座通り店の店頭に置いてあったものの写真ですが、スーツケースの下取りサービスもやってるんですよね。 使い込んだ状態で4万円回収です。顧客の維持はもちろんそうですが、良い情報収集。

アルミは再加工もできそうで、体制さえ整ってれば他所に持ってかれるよりはメーカー側もメリットが大きそう。

出先での修理の可能性

やや話は逸れますが、世界展開されているRIMOWAは主要都市や空港にも入ってるわけですが、出張先で修理できる可能性があるのが、かなり嬉しい。 壊れたことに気が付いても、その場で修理を依頼できる可能性がある、というのは、大いに助かります。

代替品を買わなくていいし、処分にも困らないし。もちろん待ち時間が発生したりそもそも修理できない可能性はありますけどね。

他ブランドで検討したもの

まずはBERMASのHERITAGEシリーズ、圧倒的なコスパです。個人的には高級なものが要らないっていう人には最推し。 樹脂+フレームタイプで軽くて硬いし、容量十分だし、会社購入の物をタフに使い続けて、使われ続けて壊れた実績がない。

同種の樹脂+フレームタイプで、上のクラスとしてBRIEFINGのHDシリーズ。BERMASとちがってキャスターがケース内部に収まる機構を採用しています。さらにキャスターは日本製。

有力候補だったんですが、コロナ明けの需要のためか必要なタイミングで欲しいサイズが購入できず。 あとは好奇心でアルミを使ってみようかなと。RIMOWA⇒RIMOWAの乗り換えだから比較できるし。

TSA鍵だけなので、それがネックになる人はいそう。でもいいプロダクトです。

TUMIも最後まで悩みました。圧倒的にデザインが良いし、品質もいい。ただ代わりに重いし容量がわずかに(2L)RIMOWAより少ない。

重量が7.3kgなので、Check-In Lの6.2kgと比較して1kg以上の差が。 同じアルミでこの差にあると、荷物を入れた時の最大重量が20kgギリギリでちょっと辛いなと。

必要になったときに追加料金を払えよっていうのは、それはそう、なんですけどね。

ただキャスターやハンドル、ロック機構の部分まで含めても圧倒的に造りが良い。造りの良さRIMOWAを抜いて最高だと思います。 プロダクトデザインとか好きな人にはぜひ見てほしい。

出張先で修理できる可能性が高いのも、TUMIよりはRIMOWAかなっていうのもあります。

日本のメーカーのレジェンドウォーカーです。こう言っては何ですが、このモデルは完全にRIMOWAクローンです。 細部の造りや仕上げなどは本家に叶うものではありませんが、安価で日本発、というところに価値を見出すのであれば、十分に採用候補に挙げて良いと思います。

個人的には廉価版の存在は歓迎されていいという思想なんですが、店頭広告において「日本製!」みたいな推され方をしているのを見かけると(公式ショップではないが)、 真似たデザイン、真似た構成で、日本製を売りにするのは、正直ちょっとカッコ悪いなと思いました。粛々と良い所を真似て、良い製品を出せるようになると良いですね。

変わり種枠の情報だけ記録しておきますが、キャスターを交換しやすいモデルが出てきたみたいで、どうせ壊れるなら交換部品を持ち運んでおけや、という姿勢は個人的にはかなり好き。

車におけるスペアタイヤのように1つ入れておくだけでもずいぶんと違うような気がします。まぁ代わりに滑落しやすいとかはあると思うんですが、 キャスターを保護したり交換しやすくする機構は、今後も進化していってほしいですよね、っていう応援を基にここに記録しておきます。