ラクロア・アーバントライブを手放した話
別途デザインの考察記事を書いちゃうくらいには好きだったんですが、モーリスラクロアのアーバントライブ限定モデルを早々に手放しました。 いま改めて写真を見ても、かなり好きなんですけどね。サイズ感的にもばっちりだし。正直お金に余裕があるなら手放したくなかった。
手放した理由
手放した理由の最大点は視認性の悪さです。どうにも私は装飾品としてだけではなく、時計に時計としての機能を求めていたようでした。
これは時計好きな人にあるあるだと思うんですが、腕時計してても、通知の確認と一緒で、スマホを見ちゃうことありませんかね。 なので時計は装飾的な意味の方が強いのかなって自分でも思ってたんですけど、装着時にどうしても時間が見えないことが気になる。
ちょっとアウトロー染みたデザインが自分に似合わないことはないと思うんですよ。私はスーツの似合わない男として周囲から評されているし、 基本的には黒い格好してるので、この時計自体が似合わないことも本当になかったと思います。
ただ私は時計を道具としても見るようでして、本当にただそれだけ。 コレクションとしては抜群に良いプロダクト・作品だったと思います。
利用シーンの想定
他に理由を挙げるなら、この時計を「テンション上げて着けるシーン」があんまりなかった気がします。それは視認性の悪さを感じてから上がらなかったのかも。 「今日このシーンこの服装ではこの時計が良い」みたいな状態にならなかった。「良い時計だな」くらいの簡潔さ。
1本目の時計を買った時を振り返ると「このシーンで使う時計がないな、欲しいな」みたいな状況にあって、それで増えたと思うんです。 そういう買い方のほうが、コレクション的な集め方をしなくていいのかもしれないです。
ただ、コレクション的な買い方は否定されるべきでもないと思うんですよね。お金に余裕があれば、ですが。
リセール情報
手放すかどうか悩んでいたので、お店への持ち込みはしませんでした。納得の価格だったらいいかなと。手数料が安価だったのでトケマーを使ってみることに。 高額だし、時計に詳しい人たちに渡った方がトラブルも少なかろうと。
購入金額56万円に対して46万円での売却、そこから手数料引いて43万5千円の戻りでした。77%くらいの戻りですね。実数値で13万円の損益。 時計好きには良く知れたモデルだが、一般的には人気ブランドとも言えないし、50%を切らなかっただけいいかなと。
そう思ってたんですが、やっぱり限定ですね。市場に似た価格で同物品が並んでいた時はこれくらいの価格たっだんですが、 現在の中古出品価格は60万円オーバーで1つの出品のみ。もちろんそれで売れるとは限らないんですが、読みというのは難しい物で。
執筆時現在でブランドの価格改定も予定されていますし、まぁ妥当な値段かもしれないです、若干のプレ値でも欲しい人はいると思います。 残念ながら損をした気持ちがありますが、半年レベルでガンガン相場が動く状態で、大やけどをしなかっただけ良しと思うしかありません。
限定モデルの買い方は難しい
限定モデルの買い方って難しいですね。早く手を付けないとなくなってしまうし、かといって、安易に手を出せば、今回のようにすぐに手放すことになります。 試着して悩んでまた試着して、というプロセスが取れません。
普段から色々試着して、考えて、時計というジャンルと自分の感性に対して解像度を上げておくしかなさそう。
13万円で経験が得られた、と思えば贅沢ではあれ無駄ではないと考えることももちろんできます。なので必ずしもネガティブではないです。 もっと高額なモデルで同じような失敗をすれば差額は大きくなりますしね。
心境として買戻しはないかも
まぁでもやっぱり、執筆時現在に改めて考えてもいい時計だなぁ、カッコいいし出来が良い。 視認性が悪いとは言いましたが、積層されたムーブメントや針の奥行き感はたまらないですよね。 エングレービングと文字盤の空間周波数もいい感じに調和が取れてる気がします。本当にいいデザイン。
お金持ちなら、手元に置いておき、たまに外しで使うみたいなことが出来たらよかったのになぁ。 結果論ですが、置いておけば価格も上がってるわけで(出品当時は同物品の出品がいくつか並び、下がってってたから本当に結果論)。
が、かといって買い戻すかと言われると、同じ価格では買い戻さないですね。仮に状態が100%で変わらないとしても。 20万円台前半だったら考えるかなぁくらいの気持ちでいます。10万円台だったら真剣に考える。
こう「昔付き合ってた彼女が振り返ってみて本当にいい人だったな」という感覚に近い。 相手が悪いというより自分の未熟さゆえに別れるみたいな、そういうやつ。
付き合いなおしても「やっぱり視認性が悪いな」と思うような気がしています。 良い所もたくさん知ってるし好きだけど、誰が悪いとかではなく、付き合えない関係。もどかしい。
HUBLOTビッグバンウニコとの比較
同じく透過積層表現としての時計では、今手元にはHUBLOTのビッグバンウニコがいるわけですが、こちらは全然手放す気になっていません。 お世辞にも着け心地が良いとは言えないんですけどね。
こちらは不思議と視認性が良くて、その辺がHUBLOTの流石な所なのかもしれません。
滅茶苦茶に頻繁に使ってるかと言われるとそうでもないんですが、このシチュエーションならHUBLOTが良いな、は発生しています。 ただこれについては仮にアーバントライブが手元にあっても同じことが起きそう。
HUBLOTだって手放す可能性は大いにありました。 買った時のことを考えれば、利用シーンから考えるよりは単にカッコいいから買ってる側面の方が大きかったように思います。
結局は買って使ってみないことには分からないんでしょうかね。