時計選びの記録(24-1)ダイバーズ&クロノグラフ
土日や年末年始も食いつぶすような多忙な時期を過ごしていた結果、試着をため込んだので一斉放出しようと思います。 まずはクロノグラフとダイバーズを一斉放出。
クロノグラフは他の時計を探してるときにたまたま多く試着した感じです。 なんやかんや試着しがち。ボタンとか計器とか、複雑な文字盤が好きなんでしょうね。
タグホイヤー カレラ クロノグラフ
まずはタグホイヤーからカレラの23年新作「CBS2210.FC6534」クロノグラフながらも39mm径で、 腕周り14.5cmの細腕の私が乗せてもきれいに乗ってくれます。本命の試着を待ってる間に試着させてもらったんですが思った以上に良かった。
レトロなデザインが好きで、かつ細腕、クロノグラフが好きな方、アンティークに行かずに選択肢に入れていいと思います。 アンティークを否定するつもりはないんですが、防水性能もあるし安心して使えるかなと。
時計のガラス面は丸みのあるグラスボックスですし、現代にしては小ぶりなサイズ感で、夜光も焼けたようにオレンジです。 デザインもかなりレトロに寄せてると思います。
またローターのデザインが以前のカレラシリーズから変更されていますね。こちらは好みが分かれそう。
執筆時の正規価格はおよそ81万円ですが、正規価格なりの価値はあるかなと個人的には思います。 これだけの機能と造りならOKではないかなと。
LVMH系なのでサポートはいわゆる並行差別(正規優遇)が入りますが、並行の価格なら70万円切ってくるものもあるので、 まぁ正規サポートでなくてもいいなら、それはそれでお買い得かなと。
しかしまぁ値上げ前は73.5万円。このタイミングの方がなおお買い得だったなぁ。
ブライトリング トップタイム
見た順序はかなり前後するんですが、次いでブライトリングよりトップタイム。
デウスというバイクメーカーとのコラボモデルがカッコよくて見に行ったんですが、あいにく限定の方は東京では在庫切れ状態。 限定の方は70万円を切ってくるので、個人的にはお買い得かなぁと思ったんですよね。
上記のモデルは同じくデウスのコラボですが、こちらはレギュラーモデルで限定モデルより1つインダイアルが多いです。 デウスコラボのモデルはクロノグラフ針が雷型なのが良い!似たようなビジュアルだと他にロレックスのミルガウスがありますが、そちらはすでに廃盤。 現行だとこの手のものはトップタイムくらいしかないんじゃないだろうか。
こちらは気の迷いで試着させてもらった金無垢モデル。かなりカッコいい。というか限定モデルでなければ、金が一番カッコいい。 スポーツモデルなのに金無垢だと、どうやって扱ってよいのやらってなりますけどね。普段使いすればいいんでしょうけど、そこまでの懐のでかさはまだ持ってない気がします。
こちらも先に紹介したカレラのクロノグラフと似て、ちょっとしたレトロ感があります。 多分ですが、インダイアルが丸みを帯びた四角で、エッジの立ったスタイリッシュさを落としてるせいだと思います。
あと外周のメーターとそれ以外の構成要素の比率のせいかなとは思います。内が大きく外が小さいみたいな。 カレラもそう。そしてトップタイムもグラスボックスです。丸みがあるガラス。
個人的なネックはケース厚です。かなり分厚い印象。グラスボックスも厚さを増す要因となっています。 ケース厚は公式に13.3mm~となっています、インダイアルの数で異なる模様。グラスボックス含んでいるのかは不明。
ちなみにカレラの方が厚みを感じた印象がありませんが、カレラはケース厚14mmですから、大きな開きはないですね。 ケース径はカレラが39mmに対し、トップタイムが41mm、その違いはありそう。
トップタイムは1/4秒が計測できるいかついムーブメントを積んでいますし、その割には厚さがないと思った方が良いのかもしれない? 個人的にムーブメントのビジュアルもかなり好きなんですけどね。
これが12.5mmくらいまでに収まってくれてたらよかったんですが、まぁそれは高望みでしょう。剛性・耐久性とトレードオフになりますしね。
G-SHOCK MR-G フロッグマン
こちらも待ち時間で試着していたG-SHOCK最上位モデル、MR-Gのフロッグマン。 見た目の厳つさの割に軽く、バンドもしなやかで造りが良いです。思ってたよりは装着感はいいですが、やっぱりでかい。
個人的には視認性や操作性の面で疑問が残るので選択肢には上がりませんが、レトロフューチャーとか好きな方は一見の余地ありです。 思ってたより装着できるってなります。
G-SHOCK は他に周年記念モデルの30万円台のフルカーボンを試着してるんですが、写真を失念。 オンラインで在庫切らしててもポップアップとかフェアとかでは出てるもんなんですね。それはそれで良い情報を得ました。
異様に軽いフルカーボンで30万、G-SHOCKファンならありの価格帯な気がしますが、部品の交換などに若干の不安が残るところでした。 まぁカーボンが破損するような状態はあんまり考え難いですけどね。
TUDOR Black Bay 58
継いでTUDORのブラックベイ58の39mm。PGHGを取ったぺラゴスの39mm、チタンモデルが見れたらよかったんですが、生憎の在庫切れ。 同じ39mmのブラックベイを試したわけですが、やっぱり39mmのサイズ感は良かった。40mmを切るダイバーズは中々に選択肢が少ないですね。
他のシルバーのモデルとかも含めてTUDOR初めてじっくり見ましたが、いわゆるコスパが良い時計が多い気がします。 COSC取得で、チタンで、並行差別なく対応してくれて、サイズとカラバリが多様で、いざの故障の際はムーブメントを一新してくれる、だとツールウォッチとしては抜群のコスパですよね。
ラグジュアリー感は大きくないですが、ツールウォッチとして使うがチープに見えないものが欲しい、という場合には大いに良い選択肢です。
ORIS Aquis ダイバー
超コスパダイバーズと言えばORISのAquisでしょう、ということでこちらも見てきました。サイズとカラー展開が多いのもグッドですね。
ただ超コスパのキャリバー400を積んでいるものはサイズもカラーも限定的な点に注意が必要です。 10年オーバーホール、延長保証が10年という驚異のスペック。
まぁ正味ダイバーズとして活用するとき、パッキンがそれほど持つのかには疑問が残ります。 が、一般に使うとして、10年目にオーバーホールするときまで無償、次に10年使えば20年は使い続けられますね。すごい話です。 仮に30歳で購入したら50歳ですよ、すげー。
※キャリバー400が登場してから20年もの月日が経っていないので実測値ではない点に注意が必要ですが、 過去にオーバーホールがろくにされていない実働時計のことを考えると、あり得ない話ではないかなと。
ただしTHEツールウォッチという感じです。価格帯の割には高級感は正直小さいです。本当に実用向け。 ベルトが落ちてくれるので細腕でも41.5mmのモデルが腕に乗ります。装着感は良好です。
兎に角タフなツールウォッチが欲しい方は是非ですかね。個人的には高揚感は小さいのでどちらかというとTUDORに偏りました(少なくとも執筆時点は)。 あとORISはやっぱりビッグクラウンとかがカッコいいなと…。
TUDORはムーブメント全交換、ORISは超耐久と、両ブランドで戦略性が違います。同じムーブメントを使い続けたい、 みたいな、機械式時計へのモチベの在り方も選択に影響を与えそうです。
Longine ハイドロコンクエスト
写真収めていませんが、他のライバル機としてLongineのハイドロコンクエストGMTも見てきたんですが、こちらもあんまりテンションは上がらずでした。
Longine vs ORIS は本当に好みの問題な気がします。ビジュアルで選んでいいくらいの気持ち。
ラバーベルトがORISの方が好みかなぁって感じです。TUDORよりもORISのベルトの方が好きですが、TUDOR強いのは標準でメタルブレスとラバーベルトとどっちもついてくるんですよね。超コスパです本当に。
Sinn U50
執筆時点で最有力候補のU50です。23年にT50、24年にU50Hydroが発表されて、同ブランドにもライバルが多めの時計ですね。
11.2mm厚の割には500m防水、テギメント加工によって傷がつきにくく、黒はPVD加工ですがテギメント加工の上に施しているので剥離しにくいそうです。 Uボートスチールなる、ドイツの潜水艦と同じステンレススチールを採用し、腐食・磁力耐性も高い。 あと低温・高温耐性もありますし(特に低温)、ベゼルが特殊結合されて外れない安全仕様、とスペック盛盛。
特徴的なデザインも良いですよね。キャラクタが立ってますし、視認性に優れていると思います。 赤は潜水状態だと見えなくなりますし、考えられたデザインだと思います。ツール感を印象付けるビジュアルなのもグッド。
ライバル機はもう完全にTUDOR/ぺラゴスになりますね。残念なことにドイツの製造コストの価格が上がりまくってるおかげで定価がTUDORより高いんです。 ぺラゴスのパワーリザーブが70時間に対し、U50は42時間。代わりに防水性能が200mか500mかの違いがあります。 ぺラゴスのケース厚は11.8mmで、1mmの差もありません、こちらは誤差でしょう。
U50のムーブメントはSW300、セリタ製のハイグレード3針デイト付のものをSinnがカスタムした形です。 まぁたぶん特殊オイルの注入と精度調整程度とは思います。
正直普段使いの面だけ見ればぺラゴスに分があります。これはデザインと価格との勝負になってきそう。
問題があるとすれば、sinnは正規購入でなければ、公式のオーバーホール料金が倍額とられるところです。 「一般の時計修理に出せばいいじゃないか」と思うかもしれないですが、Sinnは使っているオイルの特殊性などによって、スペックを維持しています。 スペックに魅力を見出している場合は、正規で購入するしかないんですよね。
TUDORの方がリセールで欲しいという方も多いかして、中古の価格も安定しています。Sinnはニッチなのかかなり低め。 そういう意味でもSinnは本当にSinnが良いってならないと手が出せないブランドです。
T50 vs U50 vs U50 Hydro
Sinnより
T50とU50はビジュアルの好みで選んだらいいと思います。T50のチタンとか本当にかっこいいです。
U50とU50Hydroは考え方の問題です。Hydroは文字盤にオイルが充填されているおかげで水中での視認性にも優れているし、平地における視認性にも優れています。
Hydroのムーブメントはクォーツになりますが、機械式より故障率が低い、いつでも稼働している、と考えればツールウォッチとしてはむしろ最適解に思います。
他方で文字盤に充填されたオイルのために、オーバーホールがドイツ本国になるようです。これが辛いかも。本体価格はU50より安価ですけどね。
圧倒的ツール性を求めるならHydro、後はビジュアルで選びましょう。
SEIKO プロスペックス Diver Scuba
コスパと言えばSEIKOプロスペックス。38.5mm径と比較的小ぶりで、厚さは10.6mmと驚異の11mm切りダイバーズ。 200m防水ですが、一般的には十分でしょう。
ソーラークォーツなのでいつでも動いてくれてるのが良いですね。そりゃ薄くもできるわけです。
ただこのページの先までに紹介してきた時計を見ると、どうしても造りが価格なりにチープに見えます。 実際には十分なんでしょうけどね。針やインデックスの造りで如実に見えます。あとはバンドですね。
ラグはちょっと長めですが、元のケース径が小さめなのでちょうどいい感じ。 バンドも下に降りてくれるので、装着感はいいです。
引きで見た感じだと本当にいい感じのサイズ感ですね。厚さは致し方ないにせ、各社これくらいのサイズ感を作ってほしい物です。
世代が1つ前の少しだけ古い型のOMEGAシーマスターとかは、36mm~37.5mmとかも出してくださってますが現行には乗らず廃盤。 やっぱり39mmのTUDORぺラゴスが選択肢に上がってくるんですかね、小型ダイバーズは。