時計の検討記録(22:ドレスウォッチ)

時計探ししていたときの検討記録でドレスウォッチ編です。ドレスウォッチの定義も難しいですが、 概ね次の条件のいずれかを満たすものと思います。

  1. 貴金属ないし宝石が使われている
  2. 2針または3針である
  3. 装飾されている

ドレスウォッチにしても、いわゆる冠婚葬祭で自分が主役にならないときに着用するようなものと、 対照的にパーティーシーンのような華やかな席でアクセサリー的に着用するものと、別の定義がある気がします。

もっとも、冠婚葬祭で使えるようなシンプルな時計はデイリーユースも可能だと思うので、 私みたいに道具は道具で日常使いしたいモチベーションがある場合はもはやドレスウォッチじゃない、 ってなるかもしれませんが、そこはまぁ人それぞれということで。

しかし時計探しで検討していた、といってもとても正規価格で買えるものでもないですし、 あまり現実的には考えていませんでした。特に最初の一本ですしね。

VACHERON CONSTANTIN CHRONOMETRE ROYAL

MONTROより

  • REF:47022/000G-8655
  • REF:47022/000J
  • 100万~160万円くらい

1つ目がヴァシュロンコンスタンタンのクロノメーターロワイヤル。 これが目に留まって、初めてドレスウォッチの部類に興味を持ったんですが、いかんせん中古で数も少ない。 最初の1本からは外しました。

遊びとカッコよさが両立したルックスなんだけれど、サイズが34mmとほんの少し小さめ。

この時計のおかげで、ローマ数字の4の表記が、縦4本線にデザインされる理由を知りました(文字盤の対称性の都合)。

デイト表記はあるべきなのか、ない方が良いのか、なんてこともこれを切っ掛けに思いましたね。

ゴールドモデルもホワイトゴールドモデルもあるけど、どちらもかっこいい。

BAUME&MERCIER Clifton 10469

金素材なのに、新品で公式店購入でも100万円ちょうどくらい。 コロナ以前の価格高騰前だとさらに安くて、信じられないレベルの価格破壊です。

ステンレスモデルもあって、そちらはデイリークラシック枠として検討しました。

黒革ベルトで金素材、シースルーバックとちょっとアダルトな印象のある要素が揃ってます。

秒針だけ黒なのは、黒ベルトの時の全体像のまとまりの良さを考えた結果なのかなと思いましたが、好みは割れそうな印象あります。

私も執筆時現在では良いかもと思ってますが、検討に上がっていたときは、気になりポイントでした。

ROLEX Cellini Time

  • REF:50505-0020/ゴールド
  • REF:50509-0016/ホワイトゴールド
  • 100~180万円くらい

ロレックスの中でも珍しい?宝石がないタイプでドレスウォッチのラインです。

ケースサイズが39mm、間延びしないようにメーターが中央に依ってきてるデザインに「やるな」と思いました。 インデックスが長いのもかっこいい。

私が気になったこのシンプルなモデルは、2016年に発表だったみたいですが、2020年あたりには廃盤になった様です。残念。 ドレスウォッチは販売期間が短いんですかね。

執筆時現在ではムーンフェイズ付きの物しかチェリーニとしてはリリースされていなくて、 他に中古のチェリーニのシリーズを見ていてもデイト機能などが付いていて、ややシンプルさからは外れています。

以降もこのモデルのようなシンプルな物は出ないような話が散見されるので、それもまた残念。

至極余談ですが、ホワイトゴールドモデルはオバマ元大統領が着用されていたそうですね。 誰が使っているという理由で何かを選ぶことは自分用ではまぁほとんど経験がありませんが、画像探しているときに印象的だったのでメモ的雑談。

ホワイトゴールドもピンクゴールドもどっちもかっこいいです。

A.LANGE&SÖHNE サクソニアフラッハ

A.LANGE&SOHNE より

行きつくところまで行きついた、シンプル極まれりの時計。ゴールドとホワイトゴールドとがありますが、 個人的にはこの時計についてはホワイトゴールド一択ですね。

分針と時針の長さのギャップがカッコいい。バランスが悪いでもなく、しかし凡庸でもなく。

サクソニアシリーズには他にスモールセコンドが付いたバージョンやデイトが付いたバージョンもありますが、 個人的にはフラッハのシンプルさがかっこよく見えてます。

まぁしかし、このシンプルさにこの価格、好きな人以外には理解されにくそう。 シンプルさゆえに語ることもあまりないです。それ以上はありません。

PATEK PHILIPPE CALATRAVA

シンプル極まれりと言えばカラトラバも。カラトラバはいたるところで「丸形時計と言えば」として挙げられている印象。 「カラトラバ」と名の付くシリーズには外観がこれらと異なるものも沢山ありますが、 単にカラトラバと言われたら、確かにドレスウォッチなこの手のシリーズが思い浮かびます。

ホワイトゴールドもローズゴールドもありますが、個人的にはカラトラバにはローズゴールドかなと。

執筆時次点の現行品は 6199(左), 5227(中) の2つ。5196は廃盤で、ややクラシカルな印象。

似たようなシリーズは歴代に沢山あり、シースルーバックだったり、開閉できるハンターケースだったり、 あるいはスモールセコンドが6時位置のインデックスに割り込んでいるものだったり。

現行品もそもそも数が少ないみたいですが、旧版も数が少ないし、好みのものに出会うのは大変そうです。

そもそもまず予算が大変必要になってくるわけですが。 中古なら何とかって方もいるのかな、250~350万くらいで良中古がある印象です。

サイズが37mm-39mmくらい。6199(左)はちょっと装飾が付いていて、如何にもって感じですね。 他の時計なら流線型の5227(中)のようなフォルムが好きなんですが、カラトラバくらいのクラシックさ、 シンプルさになってくると、旧版の5196(右)モデルのようなフォルムの方が好みかもしれません。インデックスも5196が好き。

ブランドロゴたるカラトラバ十字が刻まれた自動巻き用のローターがカッコいいので、 個人的には裏面が開けて見える物、あとは6時位置のインデックスを邪魔していない物とかが私の好みです。 (まぁ手を出す機会はそうそうないでしょうけど)

ZEROO T6 THE QUASER CENTER TOURBILLON

ZEROO TIMEより

ドレスの枠に入れるか迷ったんですが、ドレスの枠に入れちゃいました。 一般には高額になるトゥールビヨン積んでるし3針?ですし。

国産トゥールビヨンで、しかし執筆時次点で驚異の50万円切り。ZEROO TIMEはいくらかトゥールビヨンを制作していますが、 個人的にはこのセンター配置の物が好きです。トゥールビヨン部にある青いポイントが秒針代わりになっている、というのもオシャレ。

カラーバリエーションも多いですし、時計の機械(カラクリ)に魅力を感じるタイプの方が「現実的に届くトゥールビヨンが欲しい」ってなると、候補に挙がってきそうです。

同じようなルックスだとOMEGAのトゥールビヨンが挙げられますが、あちらは1,000万越え。

このモデル一瞬トゥールビヨンかーって自分の検討リストに入ったんですが、私の中では「機械」の比重が極端に重いわけじゃなくて、見送りに。 針やロゴのデザインがもう少し自分の好みになっていたらなぁという印象です。針の接合とかが気になってしまった。

Breguet クラシック クロノメトリー 7727BR

Brugetより

時計に興味を持ったら聞かないことがないであろう「ブレゲ」。スチームパンクじゃないですけど中世感というか西洋の物語感がある時計ですよね。 これが似合う人はどんな人なんだと思わないでもないです。

公式のラインナップがクラシックの枠ですし、別途まとめたクラシック枠に入れようとも思ったんですが、 クラシックにしてもちょっと装飾寄りだなと思います。

個人的にはギョシェ装飾と言えばブレゲみたいなところもちょっとありますし、 やっぱり「ビジュアル・装飾としてのクラシックさ狙いに行ったクラシック感」がすごいです。

ギョシェ彫りについてですが、金属の光沢感によって優雅さを持たせながらも、 それによっておこる視認性を落とさないように、反射を抑える目的があると知って、なるほど装飾までをも機能にする、という合理性が非常に好きだなと思いました。 ブレゲ針についても装飾しつつ、視認性も保ちましょう、というモチベーションだったはずで、私が好きなデザイン文脈に沿うんですよね。

新品正規価格だと非常に高価ですが、中古でシンプルなモデルだと、業界全体で価格が高騰している執筆時現在でも100万円を切るものがあります。

ただ私の好み的には針がたくさんあって、文字盤がちょっと複雑な印象を持ってるものが好きなんですよね。なので「7727BR/12/9WU」とかが好きです。

しかし、そうなるとお値段は高くなる。検討に入りうる価格帯はシンプルモデルだけだったので見送りに。 そして何より私に似合う気がしない(なお7727は執筆時次点で中古だと300万くらい)。

もっと複雑でカッコいいモデルなんかもありますが、そちらはもう雲上も雲上で、下限1000万とかですからね。 道具として使う物、として適切な範疇は超えてきてる気がします。自分が大層なお金持ちだったらコレクションとしてはあり得るかもしれませんが、 果たして時計として使えるかは謎です。お金持ってても道具としては見なくなりそう。私は身に着けたい人なので、もしかして今から奇跡的にお金持っても手は出ないかもです。

話を戻して、勝手なこと言いますが、いわゆる書斎らしい書斎、立派な書棚とか持ってる人に着けてほしいですね。図書館とかが似合いそう。

ZENITH クロノマスターエル・プリメロ オープンジャパンエディション

  • REF:18.2043.4061/57.C700 / 2,165,900円

日本限定モデルで限定20本、執筆時現在で新品はなくなったようです。 極めて数が少ない物ですが、1本だけ中古が出回っています(なぜかブレスレットが純正じゃないかも)。

オープンハートのクロノマスター自体は現行品でもありますし、バリエーションもそれなりにありますが、 カラーがこれが良いという人はいるんじゃないかなと思います。青とピンクゴールドのコンビがカッコいいですよね。

42mmと個人的にはちょっとサイズが大きいですし、色合いも自分に似合うかはちょっと怪しい…すごくルックスが好きですけども。

オープンハート系だとZENITHのこの手の物が一番ビジュアル的には好きかもしれません。 初めてZENITHの店頭にお伺いしたときも、39mm径モデルが出たのをきっかけに見に行きましたしね(すごい親切に色々教わった思い出)。

PATEK PHILIPPE World Time

WATCHBOXより

  • REF:5110G-001 / 5,000,000円

後から思い出した追加分です。「PATEK PHILIPPE ワールドタイム」は現行モデルもありますし、過去のモデルも沢山あります。 好みのモデルを探すのが楽しいモデルです。ただ候補の記録に残してなかった程度には高価が過ぎますね。中古でも価格が高騰しています。

くくりがドレスでよいのか分かりませんが、少なくともスタンダードでもなければ、実用を強く意識されたものでもないでしょう。 いやもしかしてワールドワイドな方には実用的なのかもしれませんけども。個人的には浪漫的な機能の実装、という形だと思っています。なのでドレスに。

デイリーユースでこれを着けられたらカッコいいですけどね。 過去モデルも含めてちょっとデザインが若いので、ある程度歳を経てから、という感じでもないですし、 すごく上級者向け感のあるモデルです。