BELL&ROSS BR0394-BL-CE 購入した

終ぞ2本目はBELL&ROSSになりました。BR0394-BL-CE クロノグラフモデルです。 1本目ほど壮大な話ではありません、1本目を選んだ後の2本目なので、より趣味感の強い選択になったかなと思います。

カタログデザインが素晴らしい

まだ購入を決める前、銀座(有楽町)のブティックにお邪魔したんですが、その際にカタログをいただいてきました。 トップ画はカタログに乗せて撮っています。

あれこれ思案していて、特に手持ちのG-SHOCKと役割が被るなぁと思ってたんです。 そのG-SHOCKを試しにカタログの上に並べておいたとき、カタログの写真が実寸大であることに気が付きました。

当日伝えていただけたら、より早く、すごく参考になったと思うし、渡す人には売り込んでいいと思うんですよね。 もしかしたら業界的には当たり前のことなのかもしれませんが、素人たる私からすれば心から賞賛が出ました。

で、実際に購入してから並べたら、やっぱりジャストサイズです。ぴったり重なります。 時計のサイズ感は選考に直結してくるので、このカタログデザインは素晴らしいですね。

選考理由やポジティブポイント

選考理由やポジティブな点をまとめておきます。

シーンに合わせて

普段の服装に合わせたタフな(印象の)時計、という点がありましたが、その点でいえばBELL&ROSSは枠から外れませんでした。 MysteryRaunchのバックパックにアークテリクス着てるので、合わないわけもなく。

逆を言えば1本目の白のデイトジャストは、そういったアウターの上からはあんまり似合いません。中に着てる黒Tシャツなら合うんですけれども。

まぁ「G-SHOCKでいいだろ!」と言われたらそれはそうなんですよね。 個人的には住み分けとして、本当にスポーツなシーンではG-SHOCK、スポーツなシーンではないけどルックスがタフな時はBELL&ROSSとしています。

しかしそれは住み分けの話で、G-SHOCKでいいことには変わりなくて、行き着くところ自己満足の領域です。 G-SHOCKがカバーしていたシーンを細分化した感じです。

BELL&ROSSにしかない成分

あとBELL&ROSSは、この時計からしか得られない成分があるんですよね。

航空機のコックピットを切り出す形でデザインされた、とされていますが、その通りだと思います。 「男の子こういうのが好きでしょ」をそのままやられている感じです(今時ジェンダーを出すと怒られそうですけど)。

良くも悪くもですが、人気の時計は似たようなルックスの時計が必ずあります。微々たる違いはあれどです。

ところが、BELL&ROSSのデザインはその辺をうまく回避してる気がします。 四角に丸を組み合わせたデザインはさほど多くなくて、四角は四角だったりするんですよね。

最も近しい性質を持ってるのはPANERAIでしょう。ポップテイストな数字インデックスを大きく配置し、角型に丸です。 PANERAIもこれからしか得られない成分ありますね。デカ厚の鏡面クッションケースに特徴的なリューズガードです。

PANERAIにしてもBELL&ROSSにしても、今よりもさらに広く普及すれば似たようなルックスの時計は出てくるんでしょうけど、 ここまで一貫して作られると、中中に骨が折れそうです。

文字盤の間延び問題とより"らしい"ルックス

同じ03シリーズにも選択肢は多々ありますが、クロノグラフモデルにしたのにはいくらかの理由があります。

1つは文字盤の間延び、ルックスの問題です。特徴的な視認性の良さを最大限に得られるようにするためには、 数字だけのシンプルな三針が明らかに良いです。

ところが、私の細腕にのせたとき、時計のケースサイズがギリギリで、さらに大きな文字がそこに乗るものだから、 すごくチグハグなサイズ感になる印象があったんですよね。

もう少し腕が太くて、腕側に余白があれば全然違う結果になると思うんですが、 針の中心が黒塗りにされている影響もあって、時計全体が間延びしているような絵に見えてしまいました。

他方で同じケースサイズ(42mm)のクロノグラフですが、インデックスの数字のサイズがやや小さく、 クロノグラフもあるので、間延びした印象はありません。時針分針もやや細いですしね。クロノグラフを見やすくする都合でしょう。 視認性と上手くバランスを取った結果と思います。

なにより「航空計器を切り出した感」が"より"あるのはクロノグラフだなぁと思って、クロノグラフにしました。 クロノグラフ機構に惹かれた、とかじゃなくて「らしさ」とかっこよさです。

いくつかシリーズで並べるとより航空機の計器に見えてくると思うし、実際のところ、遊びのある時計もいくつも出されていますが、 そういう趣旨でたくさん買って遊べるほどの裕福さはないし「1つで航空計器なんだ」を示せる、このクロノグラフが一番らしさに溢れてるんではないかと。

この時計から得られる成分は他では得られないと思います。パイロットウォッチや空の事情を鑑みてデザインされた時計は山ほどあれど、 それらはそのシーンに合わせて設計された時計であって「計器を切り出してくる」というデザインの趣旨とはまた成り立ちが異なると思うんですよね。

端的に言えばBELL&ROSSの航空計器が好きだ、という趣味に全力で同意した、という結果です。 あるいは聞こえは悪いかもしれないですが「大人のおもちゃ」です。

なお価格面の都合なども含めて旧型やGMTも検討したんですが、数字が大きかったり、ケースサイズがより大きかったりで見送りました。

価格は正直ある

最終候補に挙がっていたのが、ROLEXとCartierです。比較してかなり安価だった、というのは正直大きいです。 早すぎる二本目ですし、自分が正気かどうか、購入しても本当に満足感があるのかどうか、必ずしも自信があったわけではありません。

当時の正規の価格は76万円になっていて、正規の価格では手が出せませんでした。後に続くネガティブポイントもあってのことです。 逆を言えば、ネガティブポイントが見えていたとしても、並行価格なら出してもよいな、と思えたということでもあります。 実際のところ良い物を買った満足感があります。

昨今のコロナや戦争より以前の価格が30万円台だったことを考えると、もっと早く時計に興味を持っていれば、と思わないでもないですが、 現在だから興味を持てたし、払えるようになっているので、それは致し方ないことですね。

中古であまり出回っておらず、Chrono24などでも中古の価格帯が比較的高かった、というのもあります。 状態はともかくとして、安い個体が出回るようなら、良個体が出るチャンスを待つ手はあるかな、と思ってたんですけどね。

BELL&ROSS自体がその他の有名ブランドと比較して(一般的には)メジャーではないこともあってか、 個体数も少なかったので、それであれば並行価格の新品がある内に、と決定打になりました。

購入時点ではChrono24の最安の新品との価格差が3万円程度、保証や疎通のコストも踏まえると国内並行在庫のほうが圧倒的にメリットありでした。

対応していただいたブティックの方には大変申し訳ない気持ちがあるんですけども。お金持ちの方は是非正規のブティックで購入していただいて。

あんまり被らなさそう

これは結果論ですが「あんまり被らないな」というのもポジティブです。何にしても被る被らないを選考基準にしたことはないんですけどね。

BELL&ROSSそのものが他ブランドと比較してメジャーとは言えない、というのも正直に言えばあるとは思います。 が、特に同モデルの写真が検索してもあんまり出てこないので、被りは少なさそうだなぁというちょっとしたコレクター的な喜びがあります。

他方で欠点でもあるんですよね、まず欲しいときに調べても、リストショットなどで雰囲気をつかめない。10:10以外に針が向いている様子を確認しにくいなど。

ネガティブポイント

購入前後のネガティブポイントをまとめておきます。

ムーブメントが汎用

比較的最近(2022年)になってBELL&ROSSはケニッシと共同開発のムーブメントを搭載することを発表していますが、購入したモデルには乗っていません。 というより、購入したモデルかなり古いんですよね。2015年のモデルです。

ケニッシはロレックスグループのチューダーと提携しているムーブメントメーカーで、シャネルにもムーブメントを提供しています。 (そしてBELL&ROSSはシャネルと資本提携関係にある)

これだけ長い間売るモデルなら、ルックスを大きく変えずにムーブメントは新しくしてほしいな、というのが正直なところです。 実際のところ、製造コストの都合で難しいでしょう。ロレックスやシャネルのような規模感、既存デザインのブランド力で展開されていなければ、 既にリリースされたプロダクトの設計を見直す、というのは難しそうです。

(中にはムーブメント全とっかえ対応みたいな保証がされるブランドもありますけれど、チューダーとか)

検討中にも調べましたが、公式表記ではムーブメントは「BR-CAL.301」とされていますが、その内容はETAの「2984-2」に等しいそうです。 どの程度カスタマイズされているのかは不明です。

汎用であるということは、修理の可能性が広がっている、ということでもあり、必ずしもデメリットではないんですけどね。 調べる限りだと過去にシャネルのJ12クロノグラフモデルにも搭載されていたようなので、ある程度の品質で、信頼はおけるのでしょう。

ただ他の搭載時計の例ではRadoやBaume&Mercier, Tissotまで入ってくるので、ちょっと価格帯に見合わないかなぁという印象拭えません。 安い買い物でもありませんし、やはり耐久性や信頼性が語られるケニッシ製ムーブメントであってほしいと思います。

※ちなみに「ETA 2984-2」執筆時現在、国外のAmazonでは47,000円くらいでした。

クロノグラフ機構の挙動は褒められたもんじゃない

クロノグラフ機構に惚れて購入したわけではない、というのは先のとおりですが、それにしてもクロノグラフの動きはカクついて見えます。 計測できないという意味ではなく、スムースではない、という意味です。いわゆる針飛びと言われるものと思います。

これは汎用ムーブメントを利用している都合で致し方ない、というところでしょう。 とは言え、価格帯を考えれば、もう少し品質が良くてもいいのかな、とは思います。

あるいはZenithのエルプリメロを見たことがなければ気にしなかったかもしれません。 なんであればクロノグラフ機構そのものに惚れ込んで買うパターン、エルプリメロしかない気もしますね。

ヘッドが重い、着けたら気にならないが

ベルトを除く、時計本体がかなり重い印象です。公式の公表値はありませんが、コーヒースケールでベルト全体も含めて測ったところ152.5gでした。 (ベルト交換の時とか、ヘッドだけで測る機会があれば図ってみようかな)

他の時計と比較して、持った瞬間にすぐにわかります。多機能デカ厚系の時計と同じような感覚かもしれませんが、 見た目の印象とのギャップのせいもあって重いな、と感じると思います。

腕に乗せて使ってみる感じは、それほどでもありません。おそらくベルトが太く、設置面積も大きいらからです。

ただ腕時計を緩めに着けたいかたは、ヘッドが重い都合上で、ちょっと時計が"遊ぶ"と思います。揺れるという意味です。 とは言えやっぱり大きい角型ケースのおかげで、元の位置への復帰も早いです。

細腕の話も次にしますが、私の細腕だと42mm角でラグがギリギリ。 写真の角度の都合ではみ出てる感はあるんですが、本当にラグがちょうど腕の幅と同じくらいです。

余談ながら、私の外観、頭は大きいし手は小さいしの不細工なスタイルなんで、靴とか道具とかでコントラスト付けたいというのはあるんですよね。 全部がベストサイズだと余計に頭が大きく見える。

細腕だとベルトサイズがギリギリかも

標準のラバーベルトですが、一番小さい穴に通しても、まだ私の細腕では指一本の遊びがあります。本当にギリギリって感じ。

元々イカツイ時計ですし、細腕の人がつけることは想定されていないのでしょう。 標準で付いてくるファブリックのベルトに交換する手もありますが、個人的にはラバーがいいのでちょっと辛い。

ファブリックにはさらに上のサイズがあるようにブティックでは聞いていますが、上はあれど下は怪しいですよねぇ。

もし気になる人がいたらきちんとベルトをまくところまで試着できるか、確認するのがいいと思います。腕乗せだけではなくて。

半年後の記録