Dyson掃除機の設計をメンテナンスしながら考える

執筆時点で購入からもう4年にもなりますが、未だにDysonの公式ではこのSV18がスリムタイプとしては現役で販売されていますね。 分解清掃したので改めて思うところ書き記しておこうかなと思います。
上記にご覧のとおり、かなりの数のパーツに分解することが出来ます。 分解できる構造には、複雑さを増す(=製造コスト増す)であるだとか、強度を落とすとか、エネルギー効率を落とすとか、重量が上がるとか、まぁまぁ色んなデメリットがありますが、 代りにメンテナンスしやすいっていうメリットがあります。
部分的な交換はもちろんですが、大きな塊をああでもないこうでもない持ち上げて清掃するよりは、小さく軽く分けて清掃した方がやりやすいですね。

ヘッドのローラー部分ですが、髪の毛が絡まりがち。こちら分解清掃できるのはグッドデザインかなと思います。

本体の吸引口については、叩けばまぁ見事に埃が出てきます。ここへの侵入を防ぐ術がなさそうなので、上手く設計してほしい所、指も入りにくいですし(整流のためなんでしょうかね)。

本体通気口の、この細かなメッシュに髪の毛が刺さりまくること。何とかならないものかなと思いますが、サイクロンを生み出すにはどうしても通気口が必要になるわけで。
ゴミをためておく場所と、通気口が一体型になってる設計の良し悪しがちょっとまだ何とも言えない、しかしこれ別にすると大きくなるしパワーも必要だしで、設計上は不都合が多いんですよね…。

フィルターはまぁしゃあない、交換品ですし、そういうもん。 従来の本体別働型の掃除機と比較して、手元=顔の先に排気口が来ますから、こういった機能は一定必要になるのでしょう。

ダストボックス部ですが、パッキン部に埃やゴミが入りがちなのが難しい。丸っと水洗いできるんで、設計としては妥当と言えるのでしょうかね。
無色にすることであとどれくらい掃除の続行が可能か、可視化しているわけですが、ゴミが見えている状態が気持ちの良い物ではない、というのは大前提に、 果たして掃除機のありようがこれで良いのかには、まだ私の中では結論が出ていません。

分解できることに強くデメリットを感じたデザインはバッテリーです。もちろんバッテリーが分離できること自体は大変良いことで、 予備用のバッテリーに差し替えるなども容易で、メリットしかありません。
ところがこの掃除機は、バッテリーがないと、立てかけることも、付属のスタンドに差し込むことも、どちらもできないんですよ。 付属のスタンドは、ここにバッテリーを接続することが前提となっています。つまりスタンド側に電源ケーブルを接続したままにするような設計なんです。
これが意味するところは、この掃除機は電源の届く付近に目に見える形で置いといてください、なんですよ。 掃除機を目に見えるところに置いておきたいですか?私はできれば隠しておきたいし、この掃除機のビジュアルが、一般的な家庭のオブジェクトとして置かれているイメージがありません。
ましてそれが電源付近であることが強要されているわけですよ。個人的にはバッドデザインかなーと思います。
充電時間もまぁまぁかかりますからね、その間は掃除機を適当な所に寝かせておいとく必要があります。この体験が非常に良くない。
それ以外の評価・雑感
長いこと使ってきての総評ですが、小回りが利く、サッと取り出せるのは非常に重宝しています。
例えばちょっとしたときでも気兼ねなくサッと取り出せる、重さを感じにくいしケーブル刺さなくていいからですね。 部屋から部屋のへの移動時に、電源ケーブルの煩わしい取り回しや刺し直しがない、なんと素晴らしいことか。
まぁ掃除機が良いなってシチュエーションならそもそも重たくても軽くても出さざるをえないんだから変わらないじゃないか、というのもあるかもですが、とにかく気軽さがよいです。
スリムタイプなだけあって軽いんでちょっと高さがあるところでも苦じゃないってのもありますね。
他方でやっぱりパワーは足りない感覚があります、特にエコモード、一番バッテリーが持つモードですね。
特に隅の方って、埃とか溜まりやすいじゃないですか。同時に掃除機のヘッドも入りにくいですよね。するとパワーがないと掻き込まないし吸い込まないんですよ。
ヘッド外しても取りにくくて、狭い所用の細いヘッドに付け替える必要があるし、そうは言ってもパワーモードは強くしないといけない。すると今度は充電ががが。
そういう訳で、もしかして2台持ちしてもいいのかもしれないなーと思います、ちゃんと掃除するとき用と気軽に掃除するとき用と。 でもそうなると掃除ロボットでもいいのかもなぁとも思ったり。
しかし小回りを利かす、というのはプロダクトの方向として間違ってなさそうで、このスリムタイプの全体のプロダクト設計が特別悪いわけではないとも思うのです。 例えば車の掃除の時とかにも使えますからね、移動がしやすいことにメリットがある環境なら、もっとバリューが出ますよこのプロダクトは。
同時に、Dysonがまだ販売しているということはバッテリーなどのサポートも得られるということですからね、こういうところはブランド製品ならではの強さです。