ストラップをいくつかオーダーメイドした記録

腕が細くて既製品に欲しい長さの物がないもので、オーダーストラップをいくらか作ってもらったのでその記録です。
ある程度の注文は付けられるものですし、逆にそのお店や素材によっては細かい設定が出来なかったりしますから、 あんまり記録を取る必要がないかな、と思ったんですが参考程度に殴り書きを。
先んじて、一般的に調整できる項目としては以下の物が上げられます。
- 表裏の素材(とその色)
- 長さ
- 厚さ
- 穴の位置
- 剣先の形状
ジャンルソー

フランス発の老舗ジャンルソーさん。レザー製品以外にも素材が用意されていて、 今回はエクスプローラー1ように防水の素材アトランティスを採用してみました。 縫い目が出てますが、中の心材も含めて防水ということらしいです。
一般的な設定項目のほかに、定革(ていかく:ベルトを止める動かない方の輪)の位置を3mm内側にずらす、なんてオプションをつけてもらいました。 これのおかげで極端に曲げなくても剣先を通しやすくなりました。
定革に対して動く方を遊革または遊環と言いますが、それを無しにしても良かったかなぁとは思います。 あとは確かそれらの太さを弄れたような、これに関しては失念です。遊革は最悪とっちゃえますし細い定革だけでもよいかも?
ベルト本体については少し厚みが出るようにしたんですが、ちょっと足りなかったかなといった印象。
また穴は出来上がった後、取りに行った当日その場で開けてもらいました。

1つ想定外というか全然知らなかったのが、ロレックスのベルトを外すと時計ケース側がえぐれてるんですね。 フラッシュフィットのためっぽいです。
ロレックスのフラッシュフィットについては社外品が出回っていますが、物に依りますが両面テープで止めるような形のものが多いそうで。 加えて36mmの現行のエクスプローラーに対応するものも長らく出回ってなくて、ここを埋めるのはいったん諦めた方がよいかな、といった感じです。

デフォルトではジャンルソーさんのピンバックルを取り付けていたのですが、一体感が出るかなと途中で社外品のロレックスっぽい尾錠に変更。 入るのは入りますが、穴のサイズがやや異なったり、あとはバネ棒の長さが同じ16mmでも取り付け感変わってくるので、 オーダーするときはあらかじめ使用するピンバックルを用意しておいた方がなお良いなぁという学びがありました。
価格は35,000円くらいで2か月程度。
JLC Handmade Leather Shop

品質はともあれですが、爆速で作ってくださったのがJLC。価格も比較的安価なのでとりあえず試してみたいくらいの気持ちなら全然ありかなと思います。
微傷に関しては許容してください、という注意事項があったにもかかわらず、傷があまりにも目立つので、追加でその分を制作して追って配送しますと丁寧に対応していただけました。
個人的には、Dバックルは汎用って感じで重要視するべきものではなく、装着感も悪かったので頼まなくてよいかなぁといった感じ。時計の備品としては非常に安価な部類ですけどね。
松下庵

時計を預けて3か月くらい、ケース形状に完全に合うように、って形でオーダーメイドしたコードバンのストラップです。価格は当時で46,200円。
定革をなしにして、代りに太くした遊革だけにしました。装着時のわずらわしさがゼロで細腕には大変良いオプション。
他にこの革でこの仕様は強度が足りないであるとか、こういう造りにした方が持続性能が高くなるであるとか、経験をもとにかなり細かくお話させていただきました。
一番のオプションはもともと弓かん形状ではないところに弓かんのように当ててもらったレザーな訳ですが、 これは本当に細腕には死活問題で、腕に乗せた時にストラップとケースがどれくらい見えるのかでずいぶんと印象が変わるものです。
このストラップを購入したことで、クラシックな直線型ラグであれば直線型のストラップを、カーブがかって立体的なラグであれば弓かん状に沿ったストラップを、 なんて自分なりの方針が見えてきました。
あとは、弓かん型のストラップを作るときは、自分の腕周りを再現したような、筒型のなにか張り子のような物を用意するべき、とかが発見ですかね。 装着時にとケースの隙間がやや空いてしまうし、それを詰めようと思うとストラップがどのように腕から落ちるか、知っておく必要がある訳で。
そこまでいったら本格的に変質者ではありますが、身に着けるものをオーダーメイドする感覚って、昔はこうだったのかもしれないな、なんて思いをはせる訳です。